米国 トランプ関税で製造業の業況悪化(3月PMI)

~米企業がトランプ関税を負担~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年3月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、53.5(前月51.6)と市場予想中央値(Bloomberg集計)の50.9への低下に反して、前月比1.9%ポイント上昇した。3月総合PMIは、拡大縮小の分岐点である50を26ヵ月連続で上回り、同統計調査対象企業の活動や民間需要の拡大ペースが加速したことを示唆した。
  • トランプ関税の影響で、製造業は、49.8(前月52.7)と前月比2.9%ポイント低下し、縮小に転じた。一方、サービス業は、54.3(前月51.0)と前月比3.3%ポイント上昇し、26ヵ月連続で拡大縮小の分岐点である50を上回った。米民間サービス業の活動は、トランプ関税による不確実性の高まりにもかかわらず、天候の改善等による需要の拡大ペース加速を背景に、活発化した。
  • 総合新規受注は、53.3(前月51.9)と上昇し、需要の拡大ペースの加速を示した。製造業が50.5(同53.2)と低下したものの、サービス業が53.8(同51.6)と大幅に上昇した。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が60.9(前月58.4)、総合産出価格指数が53.6(同52.3)とともに上昇する形で、消費者段階でのインフレ圧力が再び強まり始めたことを示した。発表元によると3月調査では、サプライヤーが関税によるコスト上昇分を米国企業に転嫁したことでコストがさらに急上昇したとトランプ関税の影響が指摘された他、人件費の高騰もコスト上昇要因として挙げられた。
  • 製造業では、生産が48.8(同54.5)、新規受注が50.5(前月53.2)、雇用が49.4(同51.1)、在庫が48.3(同50.2)と低下した。生産者からの報告によると、トランプ関税に備えた動きがピークアウトし、受注が大幅に鈍化、生産が縮小した。                        
  • サービス業では、活動指数が54.3(前月51.0)と上昇し、事業活動の加速を示した。
  • 1-3月期の総合PMIは、52.6と10-12月期の54.8から低下し、25年初に米民間需要の拡大ペースが減速したことを示している。製造業が51.2(10-12月期49.2)と上昇した一方、サービス業が52.7(同56.0)と大幅に低下した。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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