米国2月小売は増加し景気後退懸念を若干弱めた

 ~1-3月期の個人消費は大幅減速の見込み~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年2月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.2%(前月同▲1.2%)と増加に転じたが、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同+0.6%(筆者予想同+0.8%)を下回った(12、1月合計0.3%下方修正)。1月は前月比▲1.2%に下方改定され、22年11月の前月比▲1.2%以来の大幅な減少となった。
  • 2月の小売売上は、昨年末の積極的な販促や値上がりを警戒した駆け込み需要による売上増加の反動のほか、悪天候、ガソリン価格の下落等による押し下げ圧力を受ける中、無店舗小売の増加や自動車の落ち込み幅の縮小によって増加に転じた。トランプ2.0で消費者のマインドが低下しているものの、堅調な雇用情勢、実質給与所得の増加等を背景に、小売売上は下支えされた。
  • 主要13業態のうち、拡大は5業態(前月3業態)と増加し、縮小が7業態(前月9業態)に減少した。ガソリンスタンド、その他小売、飲食店が減少に転じたほか、一般小売が鈍化した。一方、建設資材、食品・飲料、薬局、無店舗小売が増加に転じたほか、家具が横ばいとなった。また、自動車・同部品、家電、衣料品、スポーツ用品・本・趣味用品が減少幅を縮小した。
  • 一方、GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+1.0%(前月同▲1.0%)と市場予想中央値の+0.4%(筆者予想同+0.6%)を大幅に上回ったことで、市場での景気後退懸念が若干弱まり、金利が小幅上昇したが、株価は上昇した(12、1月合計0.1%下方修正)。
  • また、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.5%(前月同▲0.8%)と増加に転じた(12、1月合計0.2%下方修正)。
  • 1-3月期の実質個人消費は、実質給与所得の増加、企業の販促、資産効果等によって支えられるものの、年初の落ち込みのほか、トランプ2.0での政策の先行き不安感の高まり、節約志向の強まりによって、前期比年率で+2%程度(10-12月期同+4.2%)に大幅減速すると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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