トランプ関税懸念もあり企業景況感が悪化(2月PMI)

~25年入り後、民間需要の拡大ペース鈍化~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年2月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、50.4(前月52.7)と市場予想中央値(Bloomberg集計)の53.2への上昇に反して、前月比2.3%ポイント低下し、23年9月の50.2以来の低い水準となった。2月総合PMIは、拡大縮小の分岐点である50を25ヵ月連続で上回ったものの、同統計調査対象企業の活動や民間需要の拡大ペースが大幅に鈍化したことを示唆した。新規受注、雇用が大幅に低下しており、トランプ関税による不確実性の高まりのほか、大雪、大雨など悪天候、洪水被害、コストの増加による企業マージンの悪化が、企業活動に悪影響を与えた。
  • 製造業は、51.6(前月51.2)と前月比0.4%ポイント上昇し、拡大ペースを速めた。一方、サービス業は、49.7(前月52.9)と前月比3.2%ポイント低下し、25ヵ月ぶりに拡大縮小の分岐点である50を下回った。米民間サービス業の活動は、トランプ関税による不確実性の高まりのほか、大雪、大雨など悪天候、コストの増加による企業マージンの悪化等を背景に、悪化したと考えられる。
  • 総合新規受注は、50.6(前月53.7)と低下し、需要の拡大ペースの鈍化を示した。また、総合雇用は、49.4 (同54.0)と雇用の縮小を示す水準に低下した(雇用統計では雇用の拡大ペース鈍化)。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が58.5(前月57.4)と上昇したものの、総合産出価格指数が51.6(同53.9)と低下し、消費者段階でのインフレ圧力が和らいだことを示した。サービス業では、投入価格指数が57.6(同57.4)と上昇したが、産出価格指数が50.5(同53.6)と大幅に低下し、消費者段階でのサービス価格の低下のほか、サービス業でマージンが悪化していることを示した。
  • 1、2月平均の総合PMIは、51.5と10-12月期の54.8から低下し、25年初に米民間需要の拡大ペースが減速したことを示している。製造業が51.4(10-12月期49.2)と上昇した一方、サービス業が51.3(同56.0)と大幅に低下した。
こちらのレポートについては、PDF形式によるご提供となっております。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。

本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ