米国 25年初の企業活動は悪天候で鈍化(1月ISM非製造業)

~ISM景気指数は米景気の減速も堅調さ維持を示す~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年1月のISM非製造業景気指数(総合、季節調整値)は、52.8(前月54.0:改定前54.1)と前月比1.2%ポイント低下し、非製造業部門の緩やかな鈍化を示した。暴風雪など悪天候の影響を受け活動指数が大幅に低下したことで、市場予想中央値の54.0(筆者予想53.9)を下回ったものの、拡大した業種数が14業種と前月の9業種から増加し、広がりを伴って拡大した。発表元によると、悪天候が事業や生産などに影響を及ぼしたと多数報告された他、前⽉と同様にトランプ関税に関連した準備や懸念が多く報告された。
  • 非製造業総合指数の構成項目では、雇用が52.3(前月51.3、前月比+1.0%ポイント)、入荷遅延が53.0(前月52.5、前月比+0.5%ポイント)と上昇した一方、活動指数が54.5(前月58.0、前月比▲3.5%ポイント)、新規受注が51.3(前月54.4、前月比▲3.1%ポイント)と低下した。
  • 雇用指数は上昇したものの、雇用の拡大した業種数が18業種中6業種(同9業種)と減少し、縮小した業種数が5業種(同4業種)と増加した。1月に雇用の拡大を報告した6つの業種は、建設業、金融・保険、企業向けサービス、卸売業、医療・社会支援、公益。また、入荷遅延は、悪天候による遅延、東海岸でのトラック不足による配送時間の遅くのほか、旧正月を前にした混雑等によって製品の配送が遅れたこと等を背景に上昇した。
  • 活動指数は、悪天候を受け大幅に低下したが比較的高い水準を維持した。拡大した業種が18業種中9業種(前月10業種)となった一方、縮小した業種が4業種(同2業種)にとどまった。需要が堅調な他、通常よりも早い発注など、関税引き上げによるサプライチェーンへの影響に対応するための動きが活発化していると考えられる。また、新規受注は先行き不透明感の高まりを受け低下した。拡大した業種が18業種中10業種(前月7業種)に増加した一方、縮小した業種が5業種(同5業種)にとどまった。
  • 1月に拡大した業種数は、18業種中14業種(前月9業種)と増加した。拡大した業種は、強い順に、農林水産業、宿泊・飲食サービス、鉱業、卸売業、金融・保険、医療・社会支援、教育サービス、運輸・倉庫、小売業、情報産業、建設業、企業向けサービス、公的部門、公益と続いた(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す)。一方、縮小した業種は、その他サービス、不動産・賃貸・リース業、専門・科学・技術サービスの3業種(前月6業種)に減少した。
  • 米国経済全体の景気動向を示す「ISM総合景気指数(非製造業景気指数と製造業景気指数の合成)」は、1月に52.6(前月53.5)と低下し、拡大ペースの鈍化が示された。四半期では、1月の製造業が50.9と10-12月期の48.2から上昇した一方、非製造業が52.8と10-12期の54.1から低下した。この結果、1-3月期のISM総合景気指数は、52.6と10-12期の53.5から小幅低下し、1-3月期の米経済が減速も堅調さを維持していることを示している。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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