米国 生産は3ヵ月連続の縮小(11月鉱工業生産)

~製造業の停滞が長期化~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年11月の鉱工業生産は、前月比▲0.1%(前月同▲0.4%)と市場予想中央値の同+0.3%(筆者予想同+0.3%)に反して3ヵ月連続の減少となった(24年6月-10月合計0.1%下方修正)。鉱業が前月比▲0.9%(前月同▲0.1%)と減少幅を拡大したほか、公益が例年よりも高い気温を背景に同▲1.3%(同+1.3%)と縮小に転じた。また、製造業が前月比+0.2%(同▲0.7%)と増加に転じたが、市場予想中央値の同+0.5%を下回ったうえ、24年6月-10月合計で0.4%下方修正されており、市場想定よりも実態はかなり弱い。
  • 製造業はハリケーンの影響が剥落したほか、底堅い需要や在庫調整の進展を背景に拡大に転じた。ただし、米民間航空機大手メーカーでのストライキは11月4日に終了し、6日から工場が再開されたものの、主力機種の生産再開が12月まで遅れたこともあり、航空機部品の生産減少によって、航空宇宙・その他輸送機器の生産が前月比▲2.6%低下し、製造業の回復の足かせとなった。
  • 生産の基調をみると、7、9、10月のハリケーン襲来のほか、9、10、11月の民間航空機大手メーカーでのストライキによる生産活動の落ち込みによって、3ヶ月移動平均・3ヶ月前対比年率で、11月の製造業生産が▲2.9%(前月▲1.6%)、鉱工業生産が同▲2.9%(前月▲1.3%)とマイナス幅を拡大した。
  • 製造業の業種別生産動向を前月比でみると、拡大した業種は、拡大幅の大きい順に、自動車・同部品(+3.5%)、一般機械(+2.1%)、家具・同関連製品(+2.0%)、非鉄(+1.3%)、木材製品(+1.0%)、繊維(+0.3%)、その他耐久財(+0.2%)、化学(+0.2%)の8業種(前月8業種)にとどまった。一方、縮小した業種は、縮小幅の大きい順に、航空宇宙・その他輸送機器(▲2.6%)、アパレル・皮革(▲2.1%)、石油・石炭製品(▲1.6%)、紙パ(▲1.3%)、その他製造業(▲1.0%)、印刷・同サポート(▲0.9%)、加工金属(▲0.6%)、プラスチック・ゴム(▲0.5%)、コンピューター・電子(▲0.3%)、電気設備・機器・同部品(▲0.1%)の10業種と前月の11業種から減少した。
  • 24年の製造業生産は、9、10月の下振れの影響もあり前年比▲0.5%(23年▲0.5%)と2年連続で縮小するとみられる。25年には、国内需要の緩やかな拡大が続くもと、先行き不透明感の払拭、循環的な拡大等を背景に、同+0.6%と小幅増加すると見込まれる。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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