11月ISM製造業は予想上回るも米製造業の停滞継続

~拡大した業種数は3業種に減少~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年11月のISM製造業景気指数(季節調整値)は、48.4(前月46.5)と前月比1.9%ポイント上昇し、市場予想中央値の47.6(筆者予想47.0)を上回り、米製造業部門の縮小ペース鈍化が示された。米大統領・議会選挙の終了や、天候の改善、スト終了等によって、先行き不透明感が弱まり、企業が設備投資や在庫投資に前向きになりつつある。ただし、拡大した業種数が18業種中3業種に減少しており、米製造業部門の停滞が継続している。それでも、製造業景気指数は米国が景気後退に陥った時期の水準を上回って推移しており、米経済全体の調整を示していない。
  • 11月の構成項目別の前月からの変化では、入荷遅延が低下した一方、在庫、雇用、新規受注、生産が上昇した。入荷遅延は48.7(前月52.0)と50を下回って低下し、入荷が速くなったことが示された。サプライヤーの生産能力に余裕があるなか、港湾ストや悪天候に関連した物流の混乱が収束した。一方、新規受注は、在庫の減少や一部の業種での25年に向けた期待の高まりを背景に50を上回った。ただし、拡大した業種数は18業種中5業種(前月3業種)にとどまっており、緩やかな需要の回復を示している。また、雇用は、48.1(前月44.4)と上昇したが、レイオフ、自然減、採用凍結による人員削減が続き50を下回っており、増加した業種数が3業種(前月3業種)にとどまった。生産は、46.8(前月46.2)と低い水準となり、拡大した業種数は18業種中6業種(前月6業種)にとどまった。在庫は、48.1(同42.6)と在庫の減少幅の縮小を示したが、生産抑制の影響もあり増加した業種数は3業種(前月2業種)にとどまった。
  • 他方、インフレの動向を示す仕入価格指数は、50.3(前月54.8)と低下し、インフレ圧力の緩和が示唆された。
  • 11月に拡大した業種は、全18業種のうち食品・飲料・タバコ、コンピューター・電子機器、電気設備・部品の3業種(前月5業種)にとどまった(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す)。
  • 今後の製造業部門の活動は、トランプ政権2期目の貿易戦争に対する警戒が抑制要因となるものの、FRBの利下げ継続期待の高まりを背景とした設備投資や在庫投資の増加ペース加速などを受け、活発化する公算が大きい。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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