米国 10月小売売上のヘッドライン上振れも基調は鈍化   

 ~10-12月期の実質個人消費は前期比年率+2%台に減速へ~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年10月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.4%(前月同+0.8%)と市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同+0.3%(筆者予想同+0.4%)を上回ったうえ、8、9月合計で0.2%上方修正された。ただし、9月にハリケーン襲来や港湾ストに備える動きで押し上げられた反動もあり、前月比で鈍化した。
  • 主要13業態のうち、縮小が5業態(前月2業態)と増加した一方、拡大は8業態(前月11業態)に減少した。家電、ガソリンスタンドが増加に転じた上、自動車・同部品は加速した。一方、鈍い住宅販売の影響を受けた家具や、薬局、衣料品、スポーツ用品・本・趣味用品、その他小売が減少に転じたほか、建設資材、食品・飲料、一般小売、無店舗小売、飲食店が鈍化した。
  • 他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が前月比+0.1%(前月同+0.3%)と市場予想中央値の同+0.3%を下回った(8、9月合計0.2%上方修正)。また、GDPの算出に使用される自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高(コントロール・グループ)は、前月比▲0.1%(前月同+1.2%)と市場予想中央値の同+0.3%に反して減少した。 さらに、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比0.0%(前月同+1.2%)と減速した(8、9月合計0.1%上方修正)。コア小売売上高は、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+5.3%(前月+5.8%)と高い伸びながらプラス幅を縮小したほか、10-12月期に前期比年率+3.3%と7-9月期の同+5.8%から大幅に減速している。
  • 10-12月期の実質個人消費は、実質給与所得の増加、企業の販促、資産効果等によって支えられるものの、7-9月期にハリケーン襲来や港湾ストへの備えで需要が押上げられた反動のほか、政策への懸念の強まり、先行き不安の高まり、節約志向の強まりなどの影響を受け、前期比年率+2.5%(7-9月期同+3.7%)と減速が予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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