米国 小売の基調は力強さを増した(9月小売売上)  

 ~7-9月期の実質個人消費は前期比年率+3%台に加速へ~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年9月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.4%(前月同+0.1%)と市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同+0.3%を上回った(筆者予想同+0.3%)。主要13業態のうち3業態(前月7業態)が縮小した一方、9業態(前月5業態)が拡大した。市場予想を大幅に上回る内容だった小売統計等を受け、FF先物の11月FOMCでの25bpの利下げ織り込みが若干低下したものの、高い政策金利水準やインフレの低下傾向などもあり、25bpの利下げ予想は変わらない。

  • 鈍い住宅販売の影響を受けた家具、家電や、価格下落の影響でガソリンスタンドの減少幅が拡大し、無店舗小売が前月の高い伸びの反動で鈍化した。一方、通常の需要にハリケーン襲来や港湾ストに備えた需要もあり、食品・飲料、衣料品、一般小売が増加に転じたほか、建設資材、薬局が加速した。また、良好な需要を映じて、スポーツ用品・本・趣味用品、その他小売、飲食店が加速した。自動車・同部品はほぼ横ばいとなった。

  • 他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が前月比+0.5%(前月同+0.2%)と市場予想中央値の同+0.1%を大幅に上回った。また、GDPの算出に使用される自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.7%(前月同+0.3%)と加速し市場予想中央値の同+0.3%を大幅に上回った。

  • さらに、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.8%(前月同+0.3%)と加速した(7、8月合計0.1%上方修正)。コア小売売上高は、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+6.2%(前月+5.3%)とプラス幅を拡大したほか、7-9月期に前期比年率+6.2%と4-6月期の同+3.1%から大幅に加速し、力強さを増した。

  • 7-9月期の実質個人消費は、政策への懸念の強まりや先行き不安の高まり、節約志向の強まりなどの影響を受けながらも、実質給与所得の増加、企業の販促、資産効果等を背景に、前期比年率+3.3%(4-6月期同+2.8%)と堅調さを維持したと予想される。

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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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