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2024年大統領選の副大統領候補のTV討論会

~ウォルズ氏とバンス氏がほぼ互角~

前田 和馬

10月1日(現地時間)、2024年11月の米国大統領選に向けた副大統領候補のTV討論会がニューヨークで実施された(CBS News主催)。民主党のウォルズ・ミネソタ州知事と共和党のJ.D.バンス上院議員(オハイオ州選出)という中西部出身同士の対決となった。時間は90分間、会場は無観衆、メモの持ち込みは禁止という点はハリスvs.トランプのTV討論会と同様であった一方、マイクのスイッチは相手の発言中もミュートされない運用となった(実際の討論会ではバンス氏が発言を辞めなかった際に司会によってマイクが切られることがあった)。また、主催側のCBSは自社サイト上で両候補の発言のファクトチェックをリアルタイムで実施した。

討論会は両者互角であったとの見方が強い。CBS/YouGovが討論会後に実施した調査においては、バンス氏勝利が42%、ウォルズ氏勝利が41%と拮抗している(引き分けは17%)。なお、両者の人気度合いを支持率と不支持率の差でみると、ウォルズ氏が+25%pt(討論会前:+11%pt)と良好なイメージを拡大した一方、バンス氏は+2%pt(討論会前:-14%pt)と依然人気は劣るものの、過去の女性蔑視発言等による負のイメージを幾分払拭した模様だ。

両候補とも無党派層を意識し過激な発言や人格攻撃を封印する一方、住宅価格高騰や銃暴力への問題意識を共有するなど、建設的な討論会の雰囲気だった。バンス氏はハリス氏が現職の副大統領でありながら「なぜ今すぐに経済的課題に取り組まないのか」と批判したほか、高関税がインフレを招くとの指摘が散見されることに対しては「専門家は海外への製造業移転が中間層を強くすると主張したが、彼らは間違っていた」と反論した。一方、ウォルズ氏は先月末のハリケーン「ヘレン」の被害の背景として気候変動問題を指摘したうえで、クリーンエネルギーへの投資拡大の重要性を強調した。また、ウォルズ氏は2021年1月の議会襲撃事件を巡るトランプ氏の行動を批判したうえで、これに対する考えを明確にしないバンス氏に詰め寄った。

副大統領候補によるTV討論会が選挙情勢に及ぼす影響は限られると考えられており、今回の討論会がほぼ互角であった結果も踏まると、選挙戦は引き続き拮抗した状況が続く可能性が高い。現時点において、大統領候補による追加のTV討論会は開催されない見込みであり、11月5日の投開票日までに主だったイベントは予定されていない。もちろん、過去の大統領選においては、10月に想定されなかったイベント(オクトーバーサプライズ)が生じ、選挙情勢を大きく変化させてきたことに留意が必要だろう(2004年:ビンラディンによる同時多発テロの犯行声明とブッシュ大統領の再選、2012年:ハリケーン「サンディ」への災害対応とオバマ大統領の再選、2016年:民主党・クリントン候補の私用メール問題の再燃)。

【参考文献】

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前田 和馬


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前田 和馬

まえだ かずま

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析

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