- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月145程度で推移するだろう。
- 日銀は12月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
- FEDはFF金利を25年末までに3.50%、26年末までに3.00%まで引き下げるだろう。
金融市場
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前日の米国株はまちまち。S&P500は▲0.1%、NASDAQは▲0.4%で引け。VIXは17.0へと上昇。
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米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.158%(▲1.2bp)へと低下。
実質金利は1.592%(▲3.3bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+18.9bpへとプラス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はJPYが最弱。USD/JPYは142前半へと低下。コモディティはWTI原油が68.2㌦(+0.5㌦)へと上昇。銅は9982.5㌦(▲98.0㌦)へと低下。金は2644.3㌦(▲26.1㌦)へと低下。
注目点
- 日本の8月鉱工業生産は前月比▲3.3%と2ヶ月ぶりに減産。経産省予測値に一致したものの、市場予想(同▲0.5%)を大幅に下回った。もっとも、弱さは台風や認証不正問題の問題を抱えている自動車業に集中しており、この点はある意味で安心感があった。需要側に大きな問題が生じない限り、品質問題発覚以前の水準へと回復が見込まれることから、鉱工業生産全体としても増産が予想される。他方、株式市場との連動性が強い電子部品・デバイス工業は増産傾向が維持された。後述するとおり出荷・在庫バランスは、半導体関連銘柄が期待先行で買われる局面は既に終わった可能性を示唆しているが、それでも先行きの業績拡大に対する期待は引き続き大きい。

- 鉱工業生産全体の方向感を決める自動車工業は、大手メーカーの工場稼働停止によって1・2月に垂直的落下(累積▲24.0%)を経験した後、大幅な振れを伴い回復傾向にあったが、8月は台風の影響もあって前月比▲10.6%と大幅減産であった。生産水準は、認証不正問題が発覚した2023年10-12月期を約17%pt下回った状態にあり、鉱工業生産全体を下押ししている。需要側に大きな問題が発生していないことを踏まえれば、それだけ増産の余地があると考えて良いだろう(ただし、トランプ氏の掲げる関税が実施されれば国内生産から現地生産への切り替えが進む可能性はある)。自動車と並ぶ重要産業である半導体関連については、電子部品・デバイス工業が同+2.2%と増産傾向を維持。生産用機械に分類される半導体製造装置は同▲18.7%と反動減がみられたものの、先行指標の機械受注統計(機種別集計の電子計算機等)を見る限り、半導体製造装置の引き合いは堅調と思われる。半導体関連の投資が手控えられているといった定性的情報も少ないことから判断すれば、過去数ヶ月の生産減少は一過性の動きと判断される。

- 8月初旬に実施された生産予測調査に基づけば、製造工業の生産計画は9月が前月比+2.0%、10月が同+6.1%であった。経産省経済解析室が生産予測指数の上振れバイアスを補正した9月の予測値は同+0.3と微増に留まるが、この予測値はこのところの自動車生産の振れを上手くコントロールできていない可能性があり、予測精度が落ちている印象だ。注目の輸送機械工業の生産計画は9月に同+9.2%、10月に同+5.9%と強い。自動車工業は、品質確保を優先する動きから生産台数を抑制する動きが残存しているものの、やや長い目でみれば本格的な工場再開に加え、過去数年の世界的供給制約によって積み上がった潜在需要を背景に息の長い増産が期待できる。自動車ローン金利の高止まりによって販売が頭打ちになっている北米市場では、Fedの利下げが追い風となろう。
- 株式市場と関連の深い電子部品・デバイス工業の生産に目を向けると、上述のとおり9月の生産は前月比+2.2%となり、前年比では+16.2%と力強い回復基調にある。生産計画は9月に前月比+0.5%となった後、10月は同▲0.8%と力強さに欠けるが、在庫調整の進展に鑑みると先行きは増産が予想される。 ・電子部品・デバイス工業の出荷と在庫に注目すると、9月は在庫が前年比▲25.8%とマイナス幅が縮小し、出荷も同+3.7%とプラス幅を縮小したことから、出荷・在庫バランス(両者の前年比差分から算出)は+29.5%ptへ低下した。3ヶ月平均では+31.0%と高水準にあるが、下向きの曲線を描きつつある。ここで長期的に電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスと、日経平均株価が連動性を有してきたことを再確認したい。株価指数において半導体を直接手掛ける企業の存在感は必ずしも大きくはないが、半導体製造装置や化学品など「広義半導体」で見ればその存在感は大きく、結果的に日本株全体のうねりを作り出すという構図があると筆者は理解している。
- 先行きの出荷・在庫バランスを見極めるために在庫循環図の位置取りを確認すると、現在は右下領域(在庫減・出荷増)にあり、大きくみれば進路を「東(出荷増)」にとってきた。過去の経験則に従えば、今後は出荷増に対応するための在庫積み増しによって右上領域(在庫増・出荷増)に向けて「北上」すると予想される。この時、在庫の増加は出荷のそれを上回る傾向にある(※在庫循環図のグラフは横軸が▲20から+20、縦軸が▲50から+50)。そのため出荷・在庫バランスは下方向に推移する公算が大きい。株式市場との関連で言えば、出荷・在庫バランスが上向きに転じている局面は、半導体市況に反転の兆しが見えてきた頃と一致し、関連企業の業績ダウンサイドリスクが後退することで、株価は大きく上昇する。まさに相場格言で言うところの「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」状況と言える。それに対して出荷・在庫バランスが高水準にある現在の状況は「(強気相場は)楽観の中で成熟し」に近いものがある。ここから出荷・在庫バランスが更に伸びを高め可能性は低いと判断せざるを得ないが、株価は緩やかながらも伸びを保ち、上値を切り上げると予想される。

藤代 宏一
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