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3月英国消費者物価

~2%台に接近も、BOEの想定上振れ~

田中 理

要旨
  • 17日に発表された3月の英国の消費者物価は前年比+3.2%と前月の同+3.4%から上昇率が鈍化。原油価格の再上昇を反映し、エネルギー価格(前月:同▲13.8%→今月:同▲12.7%)の下落率が縮小した一方で、半年前まで前年比2桁台での高騰が続いてきた食料品価格(同+5.0%→同+4.0%)の上昇率が落ち着いてきたほか、変動が大きいエネルギー・食料・アルコール飲料・たばこを除いたコア物価(同+4.5%→同+4.2%)も2021年12月以来の水準に鈍化した。
  • 但し、サービス価格の高止まりを主因に、インフレ率は2月の金融政策委員会(MPC)時点の物価予想を上振れしている。3月のMPCでは、タカ派委員の利上げ出張撤回、利上げ開始に近づいているとのベイリー総裁の発言、継続的な利下げを示唆する文言追加など、BOEのハト派傾斜が示唆された。今回の物価統計の上振れ、前日に発表された労働統計での賃金の高止まり、最近の原油価格の再上昇は、3月MPCで高まった6月の利下げ開始観測を押し戻す内容。四半期毎の見通し発表月である8月の利下げ開始の確率が高まった。

図表を含めた詳細についてはPDFファイルをご覧ください。

田中 理


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田中 理

たなか おさむ

経済調査部 首席エコノミスト(グローバルヘッド)
担当: 海外総括・欧州経済

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