米国 堅調な3月小売を受け利下げ後ずれ観測強まる  

 ~主要指標で市場想定を上回る内容~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年3月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.7%(前月同+0.9%)と高い伸びを維持し、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同+0.4%(筆者予想同+0.4%)を上回ったうえ、1、2月合計で0.5%上方修正されており、市場想定を大きく上回る強い内容といえよう。市場想定を大幅に上回る小売統計を受け、市場では利下げ時期の後ずれ観測が強まり、市場金利が上昇し、主要通貨に対してドル高が進んだ。ドル円相場は、ファンダメンタルズに沿った形で円安ドル高が進展している。

  • GDPの算出に使用される自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高は、前月比+1.1%(前月同+0.3%)と加速し、市場予想中央値の同+0.4%(筆者予想同+0.3%)を上回った。

  • 小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+1.0%(前月同+0.3%)と加速したうえ、1、2月合計で0.4%上方修正された。ただし、悪天候による1月の落ち込みの影響で、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+2.2%(前月+1.5%)と小幅のプラスにとどまり、1-3月期は前期比年率+2.2%と10-12月期の同+4.2%から鈍化した。

図表など詳細については本文をご覧ください。

桂畑 誠治


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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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