- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月34,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月138程度で推移するだろう。
- 日銀は2024年前半にマイナス金利を撤廃するだろう。
- FEDはFF金利を5.50%(幅上限)で据え置くだろう。利下げは24年4-6月を見込む。
金融市場
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前日の米国株は上昇。S&P500は+0.1%、NASDAQは+0.0%で引け。VIXは14.0へと上昇。
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米金利はツイスト・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.363%(+1.3bp)へと上昇。実質金利は1.937%(▲4.3bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲75.3bpへとマイナス幅拡大。
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為替(G10通貨)はUSDが中位程度。USD/JPYは147後半で一進一退。コモディティはWTI原油が91.5㌦(+0.7㌦)へと上昇。銅は8359.5㌦(▲46.0㌦)へと低下。金は1935.2㌦(+7.3㌦)へと上昇。
経済指標
- 8月の中国主要経済指標は鉱工業生産が前年比+4.5%へと上昇加速(7月:+3.7%)。自動車生産の回復が効いた他、電気機械やコンピューターなどが持ち直した。小売売上高も前年比+4.6%(7月:2.5%)へと回復。固定資産投資は年初来前年比+3.2%と停滞したが、不動産開発は▲8.8%へとマイナス幅拡大も市場予想は小幅に上回った。この間、電気機器(+38.6%)、コンピュータ(+9.5%)の高い伸びは維持された。
注目点
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今週のFOMCはFF金利の現状維持が決定されよう。2022年3月に開始された今次利上げサイクルは2023年5月まで累積5%の利上げとなった後、6月FOMCは据え置きとなったが、その後発表された経済指標がインフレの粘り強さを示したことで、7月に利上げ再開(25bp)となった。7月FOMC以降に積み上げられたデータは強弱区々で、現在は決定打に欠く状況となっており、市場参加者の関心は11月FOMCにおける利上げ再開の有無に集中している。現時点における市場参加者の中心的な予想は5.50%、すなわち既に最終到達点(ターミナルレート)に達しているというものであるが、インフレのしぶとさを印象付ける指標が残存していることから、11月FOMCにおける利上げ再開は視野に入れておくべきだろう。
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その点を含め9月FOMCで示すドットチャートは重要。まず2023年末中央値(誘導目標レンジの上限値)は5.75%で据え置かれる可能性が高い。仮に5.50%に引き下げるなどすれば、利上げ打ち止めとの認識が浸透し、それ自体が引き締め効果を弱めてしまう恐れがあるため、市場参加者に利上げを意識させておきたいところだろう。5.75%という数値は保険的な意味合いを含んでいると解釈するのが妥当に思える。
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過去数ヶ月、労働市場は労働参加率の上昇を伴う雇用者数増加が実現し、それに伴って平均時給は低下、求人件数も減少基調を辿っている。コアCPIは依然として4%超にあるものの、労働コストの増勢が鈍化する下で、インフレが沈静化に向かっていること自体に疑いの余地はない。既往の金融引き締めが時差を伴って発現してくることを踏まえると、この辺りで利上げを停止し、様子見姿勢に移行することは理に適っているだろう。
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2024年末の中央値は4.75%、すなわち2023年末対比で1.0%の利下げとなろう。こうした政策金利の経路は現在のFF金利先物と概ね整合的であるが、それが四半期毎の25bp利下げを意味するのか、それとも年央以降の連続的な利下げになるかについて、パウエル議長は「時期尚早」として具体的言及を避けるだろう。パウエル議長は市場参加者が前のめり気味に利下げを織り込むことを防ぐため、敢えてタカ派的な表現を用いるのではないか。
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その後2025年、2026年にかけて段階的な利下げ計画が示されるだろう。2024年末を起点に2026年末までに約2%ptの利下げとなり、中立金利近傍へ回帰する姿になろう。ここで今回のドットチャートでは中立金利推計値が25bp上方シフトして2.75%となる可能性に注意が必要。最近話題になった自然利子率の推計や中長期(予想)インフレ率に関する変化が一部に影響するかもしれないが、どちらかというとメンバーの構成変化(セントルイス連銀ブラード総裁の退任)によるところが大きいとみられる。中立金利推計値は平均値でみると、3月FOMCの2.58%から6月FOMCは2.66%に引き上げられていたことから、今回の更新で中央値が2.75%となっても何ら不思議ではない。とはいえ、政策金利のゴール或いは北極星とも言うべき中立金利が動くことは、イールドカーブ全般を押し上げる動きに繋がり得る。市場参加者の目線がそこに集中する可能性は否定できず、金利上昇イベントになる可能性はある。
藤代 宏一
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