- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月34,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月138程度で推移するだろう。
- 日銀は2024年前半にマイナス金利を撤廃するだろう。
- FEDはFF金利を5.50%(幅上限)で据え置くだろう。利下げは24年4-6月を見込む。
金融市場
- 前日の米国株は上昇。S&P500は+0.1%、NASDAQは+0.3%で引け。VIXは13.5へと低下。
- 米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.329%(▲1.2bp)へと低下。 実質金利は1.918%(▲2.1bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲72.5bpへとマイナス幅縮小。
- 為替(G10通貨)はJPYが軟調。USD/JPYは14半ばへと上昇。コモディティはWTI原油が88.5㌦(▲0.3㌦)へと低下。銅は8417.0㌦(+26.0㌦)へと上昇。金は1914.4㌦(▲2.8㌦)へと低下。
注目点
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8月米CPIはインフレ沈静化の進展を示し、Fedの利上げがもはや不要になりつつあることを確認させる結果であった。来週開催の9月FOMCは利上げを見送り、11月も同じ結果となり、そのまま5.50(誘導目標レンジ上限値)がターミナルレートになると思われる。FF金利先物は11月の利上げ再開を42%の確率で織り込んでいたが、CPIを受けて40%を割った。
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総合CPIは前月比+0.6%、前年比+3.7%へと加速。ガソリン価格上昇によってエネルギーが前月比+5.6%と強く伸び、前年比▲3.6%に下落幅が縮小した他、食料が+0.2%、前年比+4.2%と高い伸びが続いた。コアCPIは前月比+0.3%、前年比+4.3%と7月の+4.7%から減速。前月比伸び率は7月の+0.16%から8月は+0.28%へ加速したものの、瞬間風速を示す3ヶ月前比年率の上昇率は+2.4%、その3ヶ月平均値も+3.2%まで減速しており、いよいよ2%台の定着が視界に入った。

- コアCPIを「財」と「サービス」に分解すると、コア財は前月比▲0.1%、前年比+0.2%であった。サプライチェーンが概ね修復し新車の供給が増加基調にある中、中古車価格が前月比▲1.2%と3ヶ月連続で低下し、関連指標のマンハイム中古車価格指数と概ね整合的な姿になった。コアサービスは前月比+0.4%、前年比+5.9%となり、前年比上昇率は7月から減速した。CPI全体のうち3割程度の比重を有する家賃は前月比+0.3%、前年比+7.3%とCPI全体を押し上げる構図が続いたものの、前年比伸び率は4ヶ月連続で低下した。CPIで計測される家賃に対して1年程度の先行性を有するケース・シラー住宅価格やZillow指数から判断すると当面のCPI家賃は上昇鈍化が予想される。そして家賃を除いたコアCPIが前月比+0.3%と3ヶ月ぶりに上昇したものの、3ヶ月前比年率は+0.8%と抑制された状態にある。
- ここで、労働コスト増加を起点とする現在のインフレがどう終息していくのかを見極めるためにNFIB中小企業調査に注目すると、8月は人件費計画の低下は一服したものの、雇用計画は低下基調を維持、設備投資計画は改善基調という姿であった。ここからは、労働コスト増加に歯止めかけたい企業が省力化によって収益を確保しようとする企業行動が透けて見える。雇用統計の平均時給と、当該調査の人件費計画および雇用計画に一定の連動性があることに鑑みると、先行きの平均時給は緩やかな鈍化が見込まれ、その間に省力化投資が奏功すれば、景気の急減速を回避しつつインフレ終息に成功する確率が一段と高まる。
藤代 宏一
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