- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを3月に終了するだろう。
- FEDは5月まで利上げを続けた後、年後半に利下げを開始するだろう。
金融市場
- 前日の米国株は上昇。NYダウは+1.0%、S&P500は+0.8%、NASDAQは+0.7%で引け。VIXは19.6へと低下。
- 米金利はベア・スティープ化傾向。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.485%(+5.0bp)へと上昇。実質金利は1.568%(+1.5bp)へと上昇。
- 為替(G10通貨)はUSDが全面高。USD/JPYは136後半へと上昇。コモディティはWTI原油が78.2㌦(+0.5㌦)へと上昇。銅は8958.5㌦(▲142.0㌦)へと低下。金は1840.5㌦(▲4.9㌦)へと低下。
注目点
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米長期金利の上昇にもかかわらず、米国株は持ち堪えておりS&P500は4000近辺(3日終値:3981.4)を維持している。インフレ再加速に対する警戒からFedの引き締め観測は高まっている一方でノーランディング(景気再加速)期待が高まり、長期金利上昇が株価下落に直結するという、2022年に何度か観察された単純な構図ではなくなりつつある。
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インフレ再加速を巡っては2日に発表された単位労働コスト(22年4Q)の大幅上方改定が目を引いた。速報段階の前期比+1.6%から+3.2%へと大幅に引き上げられ、前年比では+6.3%となり速報段階で認められていた減速感は事後的に消失。一連のインフレ再加速を示すデータを受け、この日発言機会のあったウォラー理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁は何れもインフレに対する警戒を維持。前者は「「インフレは期待ほど下がっておらず、データ過熱なら追加利上げが必要」、後者は「物価安定には長い道のり」などと引き締め方針を再確認した上で「(自身が支持してきた)ターミナルレートを5.00~5.25%よりも高くするかどうかを検討している」とした。3月22日のFOMCで示されるドットチャートは2023年末の中央値が上方シフトする可能性も否定できなくなってきた。

- こうした引き締め懸念をよそに株価が持ち堪えているのはノーランディング期待に拠るところが大きい。最近では2月ISM製造業が下げ止まった他、欧州と中国のPMIが強く、投資家の楽観姿勢が強まった。ISM製造業と企業収益(予想EPS)が密接に連動してきた経緯を踏まえると、ノーランディングすなわち企業収益の好転にも僅かな希望を持てる状況になってきた。

- ただし、実質金利とPERの乖離がここへ来て一段と大きくなっていることは引き続き要警戒。予想EPSが下向き基調にある中、株価が高水準を維持していることで結果的にPERは実質金利で説明の付かない水準で高止まりしている。今後、ターミナルレートの予想値が切り上がったり、初回利下げの予想時期が一段と遅くなったりすれば、株価は調整を免れないだろう。
藤代 宏一
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