製・非製ともに光明

~対面消費に加え、12月には自動車の挽回生産?~

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均は先行き12ヶ月30,000程度で推移するだろう。
  • USD/JPYは先行き12ヶ月113程度で推移するだろう。
  • 日銀は、現在のYCCを長期にわたって維持するだろう。
  • FEDは、2022年央に資産購入を終了、23年前半に利上げを開始するだろう。
目次

金融市場

  • 前日の米国株は下落。NYダウは▲0.3%、S&P500は▲0.2%、NASDAQは▲0.1%で引け。VIXは19.90へと上昇。
  • 米金利カーブはツイスト・フラット。10年金利は1.6%を割れた。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.492%(▲1.9bp)へと低下。実質金利は▲0.917%(▲1.6bp)へと低下。
  • 為替(G10通貨)はJPYの弱さが続き、USD/JPYは約3年ぶりの円安水準を更新、113後半へと上昇。コモディティはWTI原油が80.5㌦(+1.2㌦)へと上昇。銅は9543.0㌦(+182.0㌦)へと上昇。金は1754.6㌦(▲1.7㌦)へと低下。

米国 イールドカーブと米国 10年金利と米国 予想インフレ率(10年)
米国 イールドカーブと米国 10年金利と米国 予想インフレ率(10年)

米国 イールドカーブ
米国 イールドカーブ

米国 イールドカーブ
米国 イールドカーブ

米国 10年金利
米国 10年金利

米国 予想インフレ率(10年)
米国 予想インフレ率(10年)

経済指標

  • 8月JOLT求人件数は前月比▲5.9%と2021年入り後初めての減少。もっとも、水準は極めて高く、企業の採用意欲が旺盛であることに変わりはない。そうしたなかで魅力的な待遇を求めて自ら職を辞する人は著しく増加し自発的離職率は2.8%へと上昇。この指標が平均時給に約1年の先行性を有することに鑑みれば、今後も賃金上昇圧力が残存する可能性は高い。

JOLTS求人件数と米国 自発的離職率・平均時給
JOLTS求人件数と米国 自発的離職率・平均時給

JOLTS求人件数
JOLTS求人件数

米国 自発的離職率・平均時給
米国 自発的離職率・平均時給

注目ポイント

  • 昨日のロイター報道によれば、自動車最大手が12月以降に挽回生産を検討しているという。コロナ感染状況の悪化により滞っていた東南アジアからの部品調達が正常化しつつあり、9月と10月の大幅減産分を取り戻す計画が浮上していると伝えた(ソースは関係筋、報道の真偽は不明)。

  • 部品不足を招いた東南アジアのコロナ感染状況に目を向けるとマレーシアとベトナムにおける新規感染者数は直近ピーク時から半減以下の水準へと落ち着いており、ワクチン接種も進展していることから経済活動制限も段階的に解除されている。マレーシアについては今後ロックダウンを実施しない方針を掲げている。

  • 経済産業省の生産予測調査に基づけば、輸送用機械は9月に前月比▲8.7%の減産となった後、10月は+15.8%へと増産が計画されている。仮に自動車各社が上記報道と同様の状況にあるとするならば、12月に向けて生産水準は切り上がり、その後は夏場の減産分を埋める動きが期待される。株式市場目線では、輸送用機械のPERが10倍近傍へと低下するなど、追加減産リスクが嫌気されていただけに、こうしたアップサイドリスクを喚起し得る材料は一定の意味があろう。

輸送用機械の生産と輸送用機械の予想PER(12ヶ月先)
輸送用機械の生産と輸送用機械の予想PER(12ヶ月先)

輸送用機械の生産
輸送用機械の生産

輸送用機械の予想PER(12ヶ月先)
輸送用機械の予想PER(12ヶ月先)

  • また10月は内需好転が経済データに反映され、これまでの期待が一部現実のものとなろう。緊急事態宣言の全面解除後、現時点でモビリティデータ(Apple,Google)に目立った動きはみられていないものの、11月以降に更なる制限緩和が期待される下で、サービスを中心に個人消費は復調が予想される。ワクチン接種証明を活用したGotoキャンペーンの再開に加え、マイナンバーカード保持者に「3万円」のポイントを付与する案も伝わっており、これら政策効果が個人消費を押し上げるだろう。これまで日本の苦境を浮き彫りにし、欧米株に対する劣後を正当化してきたサービス業PMIの格差縮小が予想される。需要者としてのサービス業が復調すれば、設備投資の再開等を通じて製造業の回復持続に資する。例えば本日発表された機械受注統計において非製造業は8月単月では+7.1%と増加したものの、水準は2019年10-12月期を▲8.3%も下回っており、業況悪化が設備投資余力を削ぐ構図となっている。今後、非製造業の業況が回復に向かえば、製造業にも恩恵が及ぶ可能性が高い。

サービス業PMIと機械受注
サービス業PMIと機械受注

サービス業PMI
サービス業PMI

機械受注
機械受注

藤代 宏一

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