【1分解説】金融ニヒリズムとは?

鄭 美沙

金融ニヒリズムとは、「労働や貯蓄、長期投資などで将来に備えても、十分に報われない」という、従来の金融システムへの信頼が失われた状態を指します。2020年頃に、米金融アナリストのデメトリ・コフィナス氏によって広まりました。

金融ニヒリズムのもとでは、長期的な資産形成よりも、仮想通貨やミーム株、予測市場などを通じて一攫千金を狙う行動がみられます。特に米国の若年層に広がっており、その背景には、インフレや住宅価格の高騰、雇用不安などがあります。これは、単なる金融リテラシーの不足ではなく、「真面目に働き、コツコツ資産を築けば豊かになれる」という従来の成功モデルへの信頼が揺らいでいることが根底にあります。

同様の傾向は韓国でもみられます。株価上昇を背景に、個人投資家が増える一方で、「借金投資(レバレッジ投資)」が社会問題化しています。この背景にも、将来不安から投資に活路を求める心理が指摘されています。

現時点で日本では大きな問題にはなっていませんが、住宅価格の高騰など、金融ニヒリズムを生み出し得る社会経済状況は共通しています。株価が急騰する企業もある中、長期・積立・分散投資などによる着実な資産形成よりも、「億り人」を目指す行動が広がらないか、今後の動向を注視する必要があります。

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この解説は2026年6月時点の情報に基づいたものです。

鄭 美沙


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