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- 【1分解説】「106万円の壁」の撤廃とは?
2025年の年金制度改正法により、厚生年金と健康保険(以下、社会保険)の加入要件のうち、賃金要件(いわゆる「106万円の壁」)が撤廃されることになりました。
この106万円とは、短時間労働者が社会保険に加入する条件のうちの賃金要件を指します。月額賃金8万8,000円以上(年収約106万円)で、従業員51人以上の事業所に勤務し、週20時間以上働くことの3つの要件を満たすと、社会保険の加入義務が生じます。しかし、多くの短時間勤務者が社会保険料の負担を避けるため、これらの要件に該当しないように働く「働き控え」が社会問題となっていました。今回の改正では、最低賃金の引上げ状況に鑑みつつ、法律の公布後3年以内に賃金要件が撤廃されます。
その後、企業規模要件も撤廃されます。現在は基本的に従業員51人以上の事業所が社会保険加入対象ですが、2027年10月から段階的に緩和され、2035年10月からは企業規模要件はなくなります。
ただし、賃金要件と企業規模要件は撤廃されますが、勤務時間要件は引き続き残ります。そのため、2035年10月以降は週20時間以上働くと、収入などに関係なく社会保険の加入対象となります。
また、今回の改正により新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者については、事業主の追加負担によって3年間、社会保険料の負担を軽減する特例措置が実施される予定です。事業主が追加負担した保険料は、その全額を制度全体で支援します。
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この解説は2025年7月時点の情報に基づいたものです。
永原 僚子
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。