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- 内外経済ウォッチ『米国~FRBは利上げ停止も23年は利下げせず~』(2023年1月号)
FRBは利上げペース鈍化も早期利上げ停止を否定
米国金融市場では、景気後退懸念が強まるなかで、インフレの若干の低下にもかかわらず、23年中の利下げ期待が高まっている。FRBは、インフレ高進、労働市場の逼迫の持続を受け、6月から4会合連続で異例の75bpの利上げを行った。政策金利であるFFレート誘導目標レンジは11月に3.75~4.00%となった。足元で、インフレ低下の継続を示唆する統計が相次いで公表されたことや景気が減速していることを受け、FRBは12月FOMCでの利上げペース鈍化の可能性を示唆している。ただし、FRBは利上げペースの鈍化が直ぐに利上げ打ち止めを示唆するものではないことを強調し続けている。
米景気減速も労働市場の逼迫が継続
11月の企業景況感ではPMI統計が企業活動の縮小を示したほか、ISM統計は企業活動の拡大ペース鈍化を示しており、米国景気の減速が継続していると判断される。一方、労働市場では、11月に失業率が3.7%にとどまり、自然失業率と推計される4.0%を依然下回っているうえ、非農業部門雇用者数が前月差+26.3万人と大幅な増加となった。また、月次での変動を均して基調をみると、非農業部門雇用者数は3カ月移動平均で前月差+27.2万人(前月+28.2万人)、6ヵ月移動平均で同+32.3万人(前月+34.4万人)と減速傾向を辿っているが、依然堅調なペースを維持しており、労働市場逼迫の緩和ペースは緩やかなものとなっている。
このような中、インフレ率は、10月のPCEデフレーターが前年同月比+6.0%、PCEコアデフレーターが同+5.0%とピークから低下しているものの、FRBの目標である+2%を大幅に上回っている。

実質FFレートのプラス化で利上げ停止し様子見へ
FRBは、実質FFレートが十分にインフレ抑制的な水準に引き上げられた段階で様子見姿勢が取れると説明している。現在4%のFFレート誘導目標の上限をPCEコアデフレーターで実質化すると、マイナス1%となる。今後、FRBが23年前半に1%程度の利上げを行い、名目のFFレートの上限が5%となったうえ、コアインフレが現在のように緩やかな低下傾向を辿れば、23年前半に実質FFレートはプラスに転じよう。その後は、政策金利を変更しなくてもコアインフレの低下によって実質のFFレートは徐々にプラス幅を拡大し、引締めが強化されるため、政策金利の引き上げを停止すると予想される。23年も労働力不足の影響で労働市場の調整は限定的なものにとどまること等を背景に、個人消費が拡大を続け、景気拡大が継続すると見込まれる。インフレが緩やかな低下ペースを続けるもと、FRBは利上げ停止後、23年中は政策金利の据え置きを継続する公算が大きい。

桂畑 誠治
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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