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2026.07.03
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GPIF、2025年度の運用益は41兆円に
~市場運用25年が示す長期投資の意義~
奥田 宏二
1. はじめに
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月3日、2025年度の運用成績を公表した。年間の収益額は41兆3995億円、収益率は16.47%となった。年度末時点の運用資産残高は294兆円となり、300兆円に迫る規模だ。本稿では2025年度の運用成績を概観したうえで、市場運用開始から25年という長期投資の意義を確認する。
2. 運用資産の増加、株高が寄与
GPIFは主に国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に投資している。2025年度の資産別収益率を見ると、最も高かったのは国内株式だった。国内株式の収益率は34.62%となった。外国株式も27.16%となり、世界的な株高が収益を押し上げた。一方、国内債券の収益率はマイナス5.11%となった。物価上昇を背景に長期金利が上昇し、債券価格が下落したためだ。外国債券の収益率は12.33%のプラスだった。海外の中央銀行の利下げや円安が寄与した。
2026年3月末時点の資産構成は、国内株式が23.81%、外国株式が24.80%、国内債券が26.91%、外国債券が24.48%だった。GPIFには各資産に一定の乖離許容幅が設けられているものの、実際の運用は主要4資産に25%ずつという基本ポートフォリオにかなり忠実だ。株価が上昇する局面では株式比率が高まる。基本ポートフォリオを維持するため、相場上昇局面でGPIFは株式の売り手になっている。実際、2025年度は国内株式を10兆6932億円、外国株式を4兆2013億円売り越した。一方、国内債券は14兆7532億円、外国債券は2兆6530億円の買い越しだった。
年金積立金の市場運用開始から25年間の累積収益額は196兆9306億円で、2014年度以降に70%以上を稼いでいる。GPIFは2014年10月、国内債券比率を大幅に引き下げ、国内外株式の比率を合わせて24%から50%へ引き上げた。株式や海外資産の比率を高めたことが、その後の累積収益を押し上げた。株式比率を高めれば、短期的な収益の振れも大きくなる。コロナ禍の影響を受けた2020年1~3月期には17.7兆円の損失を計上した。それでも長期で見れば、GPIFは財政上求められる運用利回りを上回る成果を上げてきた。
3. 市場運用開始から25年が示す長期投資家のもう一つの収益源
単年度の運用成績だけを見ると、株価や為替など価格変動による損益(キャピタルゲイン)の影響が目立ちやすい。ただ、市場運用開始から25年間の累積収益を見ると、価格変動だけでは捉えきれない面がある。債券の利息や株式の配当収入(インカムゲイン)は、年度ごとの市場環境に左右されながらも、保有を続けるなかで毎年度積み上がってきた。市場運用開始以降のインカムゲインは累計で61兆3892億円となった。累積収益全体に占める割合は30%を超す。

GPIFは株式比率を高めた後、短期的な運用損失を計上した際に批判的な見方を受けることもあった。短期で見れば収益は市場環境によって大きく振れる。それでも運用を続けた結果として、資産価格上昇による収益だけでなく、利子・配当収入も積み重なってきた。25年の運用実績が示しているのは、短期の価格変動を避けることではなく、それを受け入れながら市場に居続けることの重要性だろう。
奥田 宏二
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。