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日銀 金融政策決定会合の「主な意見」から感じた「圧」 実は3人から反対票?

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
  • USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
  • 日銀は政策金利を12月に1.5%とした後、27年末までに2.25%とするだろう
  • FEDはFF金利を、年内は4.0%で据え置くだろう
  • 9月17-18日の金融政策決定会合における「主な意見」が公表された。この会合では0.25%への利上げが決定され、それに対して2つの反対票が投じられた。

  • 通常、「主な意見」で最も注目される箇所は<Ⅱ.金融政策運営に関する意見>であり、ここには経済・物価の現状認識・見通しを踏まえたうえで、各政策委員が考える金融政策のあるべき姿が示される。しかしながら、利上げが決定された今回の会合において、筆者を含む多くの市場関係者が注目していたのは、<Ⅲ.政府の意見>である。これが注目されるに至ったのは、利上げが決定された6月会合で下記のような発言があり、市場関係者の間では「(城内大臣を念頭に)内閣府の出席者が利上げをけん制したのでは」という憶測が広がっていたことがある。筆者の認識では、この内閣府出席者の声が、その1週間後頃から始まった「骨太ショック」と呼ばれる金利上昇・円安の起点になった。

<6月の「主な意見」における内閣府側の声>

今回の利上げにつき説明責任を果たすとともに、過度な景気変動が生じた場合には主体的かつ適切な対応が重要である。今後の成長型経済への変化が重要であり、マクロの需給動向と物価の関係の慎重な確認が必要である。

  • 9月の金融政策決定会合では、対米交渉や円安圧力の再燃などもあり、そうした「利上げのけん制」ともとれる表現は修正されると筆者は予想していた。しかしながら、内閣府側の声として下記の記述があった。

<9月の「主な意見」における内閣府側の声>

日本銀行には、今回の決定につき説明責任を果たすとともに、既往の利上げが累積的に与える影響について十分点検していただきたい。今後は、日本銀行が推計した中立金利も踏まえて検討していく必要があるのではないかと考えている。景気や市場に過度な変動が生じた場合は日本銀行の主体的かつ適切な対応が重要である。

  • 飽くまで筆者の印象論に過ぎないものの、内閣府の声からは依然として利上げに消極的な意向が透けて見える。今回の利上げによって、日銀が1.1%~2.5%と推計している中立金利の領域内に到達したことを踏まえると、「中立金利も踏まえて検討していく必要があるのではないか」との表現には「中立金利到達後は利上げを慎重に進める、すなわち利上げ頻度を落とすべきではないか」という含意すら感じられる。

  • 城内大臣は、金融政策決定会合から1週間が経過した9月25日に高市政権の経済政策は「リフレ政策ではない」、「金融を緩和し、財政も機動的に取り組むアベノミクス的なリフレ政策の局面は終わっている」とした。この発言について、城内大臣(広義には高市政権)が利上げに慎重な構えを修正したと受け止めた市場関係者は多かったと推察されるが、今回の「主な意見」を見る限り、政権内部には利上げに慎重な声が残存している印象を受ける(ただし、金融政策決定会合後の1週間で情勢が変化した可能性は考慮する必要がある)。

  • 議決延期請求権(財務大臣や経済財政政策担当大臣など会合の出席者が議決延期の採決を実施できる)の行使など、事実上の「反対票」を投じるには至らなかったが、潜在的な反対票が3票あったように感じられる。

藤代 宏一


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