- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は政策金利を12月に1.5%とした後、27年末までに2.25%とするだろう
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FEDはFF金利を、年内は4.0%で据え置くだろう
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日銀が10月も利上げを実施するとの見方がある。筆者は3~4ヶ月に一度の利上げが(日銀が想定する)巡航速度になるとみており、次回利上げは12月会合を予想しているが、OIS金利から逆算した10月会合における利上げ確率は31%と相応に高い。
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利上げ観測が強まっている背景としては、やはりドル円が再び160円を視界に入れていることが大きい。この点について片山さつき財務相は9月25日に「官邸とも相談の上、私から初めて申し上げるが、先日の日米首脳会談では、為替について、トランプ大統領から円安への懸念が示された」と明らかにした。このような政治・外交的な事情もあり、日銀が連続利上げに踏み切る可能性が意識されている。また城内経済財政相は「アベノミクス的な意味でのリフレーション政策は、もうそういう局面は終わっている」との見解を示した。行き過ぎた深読みは禁物であるが、金融政策の正常化、すなわち(中立金利程度までの)利上げを容認する構えをみせたと捉えることができる。
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金融政策を予想するにあたって、こうした政治的な文脈も重要であるが、やはり最重要要素は原油価格であろう。端的に言えば、原油価格の上昇・高止まりはFedの利上げを促すことを通じて、日銀に利上げを迫る。そもそも日銀が苦慮している円安対策の裏には、Fedの利上げがある。年初の段階では2回の利下げが見込まれていたが、3月以降の原油高によってその見通しには狂いが生じ、9月には利上げが実施された。そのうえで、10月FOMCにおける25bpの利上げ確率は64%、年内まで拡張すると142%(1.42回分)となっている。Fedの利上げ観測の高まりは、米長期金利の上昇を通じて円売り・ドル買いに結びついた。日銀の利上げによる円高圧力は、Fedの利上げによって打ち消される格好となった。
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筆者は原油価格が低下すれば、Fedの利上げ観測は急速に後退するとみている。そう考えるのは、現時点ではっきりとしたインフレの「二次的波及」が確認されていないことが大きい。原油高による消費者物価の上昇が(労働組合の賃上げ要求の強まり等を通じて)賃金上昇率の加速に結び付くと、典型的なインフレ・スパイラルに発展してしまうが、現在の労働市場データを見る限り、そうした兆候は乏しい。雇用統計で示される平均時給は、前年比+3%近傍まで低下しているほか、その先行指標として有用な自発的離職率も低位にある。こうした賃金上昇率の落着きは、労働集約的なサービス産業におけるインフレ高進を抑制することを通じて、物価の基調を安定させる。
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前回の利上げ局面であった2022~23年にかけては、人手不足によって賃金上昇率が急上昇し、それが消費者物価を押し上げるという相互刺激的な側面があった。また極めて緩和的な金融環境が家賃の高騰を招いたこともあり、金融引き締めが求められた。それに対して現在は労働市場由来のインフレ圧力は限定的であるほか、家賃の上昇率も鈍化傾向にあることから、原油さえ落ち着けばインフレ圧力が弱まる構図にある。
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イランにとって原油価格が重要な「交渉材料」である以上、直ちに和平合意が締結されると考えるのは早計であるが、原油価格次第で、現在織り込まれている日米中銀の利上げ観測が急速に後退する可能性は常に意識しておく必要があろう。Fedの利上げ観測が後退すれば、日銀を悩ませている円安圧力は緩和し、次回利上げまでの時間的距離を確保する余裕が生まれる。もちろん、こうした展開は株式市場にとっても望ましい。
藤代 宏一
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