- 要旨
-
-
日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
-
USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
-
日銀は政策金利を9月に1.25%とした後、27年末までに2.25%とするだろう
-
FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう
-
- 筆者がAIバブル測定器として定点観測している台湾の輸出受注は7月に前年比+61.9%と大幅な拡大が続いた。2026年入り後の増勢は凄まじい。輸出全体の8割程度を占める電子製品と情報通信技術製品がそれぞれ同+71.7%、同+89.5%と好調であった。数量ベースの生産を捕捉する鉱工業生産をみても電子部品の生産は前年比+30.4%と強い。半導体を中心に電子部品は需給のひっ迫を受けて価格が高騰し、輸出金額を押し上げる構図が鮮明である。
-
地域別にみると、輸出受注全体の36%(2025年実績)を占める米国向けが同+88.9%と著しく伸びた。データセンターの建設増加に伴う需要と推定される。2割弱を占める中国向けも同+47.2%と高い伸びを維持し、5%程度を占める日本向けも同+37.1%と好調だった。なお、台湾経済部によれば輸出受注の45.6%が海外生産分であった。当該系列が対象としているのは台湾企業が受けた受注であり、生産(輸出)拠点が台湾にあるかは問わない。
-
台湾の輸出受注は世界の代表的な半導体銘柄で構成されるSOX指数と強い連動性が認められる。2025年はトランプ関税や中国への輸出規制強化といった非景気循環要因で連動性が崩れる場面があったものの、そうした要因を除くと波形は概ね一致している。足もとでSOX指数がやや調整しているのは、将来的な市況悪化に対する懸念も一部にあるだろうが、年初来の上昇があまりにも急速だったその反動と捉えて問題なさそうである。

- 足もとでは、米長期金利の上昇がハイパースケーラーの資金調達コストの増加を通じて、AI関連投資を抑制するとの見方がある。2025年前半頃までの段階において、各社は概ねフリー・キャッシュフローに見合った規模でAI関連投資を実施してきたため、金利動向はさほど重要な要素ではなかった。しかしながら、2025年後半以降は社債発行など外部からの資金調達に依存するようになっており、金利動向の重要性が高まっているため、今後、AI関連投資の規模や時期を見直す動きが出てきても不思議ではない。もっとも、そうした市場原理が機能することは無謀な投資に歯止めをかけることで、バブル発生とその崩壊を未然に防止することに寄与する。投資案件の選別が厳格化することで息の長い成長に結びつく蓋然性が高まる。事実、かつて発生した多くのバブルは、長引く金融緩和が温床になってきたとの指摘が多く、日本の平成バブル、米国や欧州における2000年代半ばの住宅バブルはその典型であろう。その点、現在日本を除く主要先進国は金融引き締め的な局面であり、バブルが発生しにくい環境と言える。
藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。




