- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は政策金利を10月に1.25%とした後、27年末までに2.0%とするだろう。
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
- 日本株は夏場に弱く、冬場に強いという季節性があると言われている。そこで2005年以降の月次リターンの単純平均や中央値をとると、統計的な頑健性には乏しいものの、夏場に停滞を経験した後、年末に向けて強含んでいく傾向があるようにみえる。
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次に日経平均株価の水準に季節調整をかけてみたところ、やはり夏場に凹みが認められた。季節調整とは、毎年のように観察される季節的な変動を除去する統計処理のことである。たとえば百貨店では年末商戦やクリスマス、初売りの影響で12月から1月にかけて売上が増えやすい一方、2月は大型の販促行事が比較的少なく、売上が落ち着きやすい。こうした月ごとの規則的な変動を取り除いて平準化するのが季節調整であり、それによって前月比での比較が可能になる。
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もちろん、株式相場にそうした規則的な季節変動は存在しないはずである。ただし、現実には夏場は弱く、年末にかけて強含む傾向が多くの人に共有されており、相場用語でも「夏枯れ相場」「サンタクロース・ラリー」「掉尾の一振」など季節の特徴にちなんだものが複数ある。そこで8月の数値をみると「平均的に2.1%下振れする季節性が推計された」という結果になっており、同様に9月、10月も弱さが残存するが、逆に年末にかけては強含む傾向があり、12月には+1.6%の季節性が認められ、その強さは4月頃まで引き継がれる。

- こうした季節変動には、米雇用統計が夏場に弱くなるという不可解な現象が関係しているかもしれない。世界的な株式相場の方向感を決める米雇用統計の雇用者数については、季節調整の難しさが指摘されており、2005年以降における1次速報値の増減の平均をとってみると、夏場に弱含む傾向が観察されている。もちろんデータ公表の労働省労働統計局(BLS)は季節要因を取り除いた季節調整値を公表しているのだが、季節要因が残存している可能性が指摘されている。夏場のハリケーンや冬場の豪雪、クリスマスシーズンの繁忙期とその後に訪れる閑散期など、毎年繰り返される季節的な事象は統計的にある程度の調整が可能になる一方、リーマンショックやコロナなど通常の季節パターンで取り除けない要因は、季節要素の推定を難しくさせる。また教員の夏休み開始時期が微妙に変動することで7月の季節調整値に異常な弱さが観察されることもしばしばあり、今年も地方政府の教育部門が前月比▲5.0万人の減少となった。こうした統計の技術的な問題によって金融市場が攪乱されている可能性は否定できない。

- 今年に当てはめると、7月米雇用統計は驚くほど弱く、米国経済の成長期待を削ぐ結果であった。7月分は利上げ観測後退を好感して米国株価は上昇で反応したが、8・9月分も弱い結果になると、Bad news is good news として取り扱う余裕はなくなり、景気減速懸念が株式相場の重荷になりそうである。10月分以降、過去の季節性に沿って雇用者数の増加傾向が確認されるならば、中間選挙を通過したアク抜け感も加わって、株式相場は年末高が期待される。日経平均株価が年末にかけて強くなる傾向は、その裏に米国の雇用統計のクセがあるのではないか。
藤代 宏一
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