- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月61,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年6月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
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FEDはFF金利を26年9月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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- 本日発表された4月金融政策決定会合における「主な意見」を踏まえて、日銀の次回利上げ時期を7月から6月に変更する。現時点で「半年に一度」という暗黙の利上げペースは不変とみるが、原油価格の高止まりと供給制約の強まり次第では、次々回の利上げが10月になる可能性も否定できない。6月29日で任期満了となる中川委員の入れ替わりで、リフレ派の佐藤綾野委員が加わることに一定の留意が必要だが、政策委員会全体としてはタカ派的な方向に傾斜していく可能性が高いと判断される。
主な意見には下記のようなタカ派的な記述が複数あった。
<物価について>
「長年、脱デフレに向け金融財政政策が総動員されてきたもとで、政府の各種施策が制度として定着し、賃上げ・価格転嫁の慣性が働く中で、原油価格上昇により物価が更に上振れるリスクが存在する」
「わが国のインフレ予想は適合的に形成される傾向があり、中東情勢を受けた今年度の物価上昇は、基調的な物価上昇率の上振れに繋がり得る」
「燃料費の高騰で国内物流費が更に上昇することは避けられず、これによって基調的な物価上昇率が2%に届く時期が早まることが考えられる」
「石油危機時の経験上、今次局面の金融財政環境や価格転嫁・賃上げ動向は、物価高騰を抑制した第二次石油危機時と異なり、原油価格上昇を起点とした二次的波及を生じさせやすくなっている」
<金融政策について>
「中立金利までまだ距離があり、今後、数か月に一度のペースで利上げを続ける必要がある。更に、物価の上振れリスクが高まる場合には、利上げペースを躊躇なく加速する必要がある」
「わが国の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準にあり、物価上昇の二次的波及に備えて、マイナスの実質金利の調整を続ける必要がある」
「経済の下振れリスクの主因は物価上昇であり、まずは、物価の安定に努めて経済の下振れを和らげることが、物価の番人としての日本銀行の使命である」
「現在の国内産業では、賃金と物価の強いスパイラルが起こることは考えにくく、また、現在の基調的な物価上昇率からすれば今の時点で慌てる必要はないが、景気減速の明らかな兆候がない限り、早期に利上げに進むべきである」
- 日銀が物価の上振れリスクを警戒していることは明白である。政策金利を据え置いた4月の金融政策決定会合において植田総裁は「物価の上振れリスクを気にしているが、現在ただちに利上げで対応するほどの緊急度はない」、「企業収益や家計の実質所得の下押し要因になり、成長ペースは減速する」として景気の下振れリスクを強調したが、2025年12月の利上げから半年が経過する6月会合において利上げを待つ理由は見当たらない。夏場にかけて、現実の物価上昇率が加速し、予想物価上昇率も上向いていくようだと利上げペースが加速する可能性が高まる。
藤代 宏一
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