- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月61,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
- FEDはFF金利を26年9月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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ドル円が160円超で推移していた4月30日、政府は5兆円程度とみられる為替介入を実施した。その直前には、片山さつき財務大臣が「いよいよ断固たる措置を取るタイミングが近づいている」「外出のときもお休みのときもスマホを離さずに、ということだけ申し上げる」、三村財務官が「これは最後の避難勧告」とそれぞれ最大限の予告をしていた。そのうえで、円相場急騰直後には政府関係者が介入の事実を認めた。また1日午前には三村財務官が「大型連休はまだまだ序盤」と発言し、連休中に介入を継続する姿勢を露にし、事実、1日と4日には複数回にわたり介入とみられる動きが観察された。そして5月6日午後には再び大きな円買い注文が入り、ドル円は155円近辺へと3円弱水準を切り上げた。
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政府・日銀が為替介入に踏み切ったのは1年9ヶ月ぶり。2024年は日銀の金融政策決定会合を起点に円安が進行し、それを受けて連休中の4・5月に合計9.7兆円の為替介入を実施した。ドル円は160円台前半から153円台まで円高が進んだ。その後、じりじりと円安が進行し、再び6月末頃に160円を突破すると、政府・日銀は7月11~12日にかけて5.5兆円の為替介入を実施した。

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なおIMFの基準によれば、「自由変動相場制」とは6ヶ月以内に為替介入が3回以内であることとされており、それを超えて為替介入を実施すると単なる「変動相場制」に分類される。1回の介入と見なされるのは3営業日以内であると暗黙の理解がある。したがって、今回は初回の介入(4月30日)から3営業日目にあたる5月4日までが1回の扱いとなる。5月6日の円高が介入であったならば、8日までは「2回目」の介入が警戒されるところである。半年に3回の基準以内に収めたいとの思惑が強いなら、政府は11月頃まで残り1回しか介入できないことを意味する。ただし、日本の休日(4~6日)の介入を7日(営業日)に一括して計上するならば、(3営業日に収まるため)先週来の介入は1回のカウントになるとの指摘もある。そもそも政府がIMF基準を重視するかという疑問もあり、政府の行動は読みにくい。
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為替介入の原資(ドル売り・円買い)については、2022年以前は「(外貨)預金」が定説であった。ゆえに、即座に利用できる原資は限られているとの見方が共有されており、円換算(1ドル150円)では20兆円程度が上限であるとの見方が一般的であった。そこで政府は、市場参加者を惑わせる意図もあってか「介入原資は無限」などと発信したうえで、介入の原資を米国債が大半を占めるとされる「証券」とした(とみられる)。満期の短い債券を売却したほか、満期償還金を再投資せずに介入の原資に充てたとみられる。あるいは「外貨預金」で介入した後、満期償還金を再投資せずに「預金」に振り替えた可能性も指摘できる。いずれにせよ「預金」の残高を維持したことで、為替介入の上限額に関する定説は変わった。この手法は2024年の介入時も同様だったとみられ、外貨準備の「証券」残高は介入のあった2022年と2024年に減少した。「証券」の主たる増減要因は金利(債券価格)であるが、介入のあった該当月は前月比でみて「証券」は減少していた。なお、外貨準備の残高および構成は2022年6月から大きな違いはなく、円建てでみた介入原資の総額は維持されている。
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2022年と2024年の動きが再現されるなら、為替介入の効果は概ね2ヶ月となる。過去2回の相違点として重要なのは、①日米金利差の絶対水準と方向感、②米国側が円相場について協力的であることがあろう。
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日米2年債金利差は、2024年4-6月平均が4.5%程度であったのに対して、直近は2.5%程度であり、キャリートレードの誘因は弱まっている。日米10年債金利差でみても2024年4-6月平均の3.5%程度に対して直近は1.9%程度と縮小している。向こう1年程度の政策金利は、米国が据え置き、日本が利上げであり、更なる縮小が想定される。日米金利差を絶対的な尺度として取り扱うなら、円安圧力は当時に比べて弱まっていると判断される。もちろん、米国の次回の政策変更予想が利上げ方向に傾くなら、ドル高主導の円安も考えられるが、為替がFedの利上げを織り込むにはもう少し距離があるだろう。

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米国側の円相場に対する認識変化も重要であろう。過去2回の為替介入において米国側の姿勢はあまり明らかにされてこなかったが、ベッセント財務長官体制になって以降は米金利上昇に対して神経質になっていることもあってか、日本政府の為替認識に寄り添う節がみられる。その象徴は1月23日の日米協調レートチェックであり、報道によればそれを主導したのはベッセント財務長官であったという。何らかの要因で円安が加速して「日本政府の為替介入→(介入に伴う)米国債売り→米金利上昇」という展開を警戒しているのかもしれない。
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現時点では、為替介入の効果は「時間稼ぎの域を脱しない」との見方に大きな修正は必要ないと判断される。しかしながら、米国側の姿勢変化に鑑みると、日米協調介入を含めてより大規模かつ複数回の介入を警戒しておく必要があろう。ベッセント財務長官は11~13日に高市首相、片山財務相、植田日銀総裁と会談すると伝わっている。為替介入を容認する発言がでるかもしれない。
藤代 宏一
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