- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 米国:中東情勢緊迫化の中でも4月CB消費者信頼感は改善
- US Indicators
-
2026.04.30
米国経済
金融市場
景気指標(米国)
消費指標(米国)
雇用指標(米国)
物価指標(米国)
その他指標(米国)
米国:中東情勢緊迫化の中でも4月CB消費者信頼感は改善
~停戦合意が雇用・所得見通しを支えるも、インフレ警戒は根強く~
桂畑 誠治
- 要旨
-
- 26年4月の米コンファレンス・ボード(CB)消費者信頼感指数(速報値)は92.8となり、前月の92.2(改定値、改定前91.8)から上昇した。市場予想中央値の89.0(筆者予想90.6)への悪化予想に反して改善を見せており、地政学リスクやエネルギーコスト増といった逆風下での底堅さが示された格好。もっとも、前月比での上昇幅は0.6ポイントとわずかであり、指数水準自体も依然として低位にあることから、個人消費の伸びは緩やかな推移にとどまることを示唆している。
- 指数の内訳をみると、構成要素間で明暗が分かれた。現状指数は123.8(前月124.1:改定前123.3)と前月比0.3ポイントの微減となった一方、期待指数は72.2(前月71.0:改定前70.9)へと同1.2ポイント上昇した。 コスト増やイラン情勢への懸念が根強い中での改善は、不安定ながらも米国・イラン間の停戦合意が報じられたことや、労働市場の安定化の兆しを反映したものと推察される。発表元によれば、「4月も経済への悲観的なバイアスは継続」しており、回答内の「価格」「石油・ガス」「戦争」への言及頻度が3月に比べ増加している。地政学リスクが依然として家計の重石となっている構図に変わりはない。
- 項目別に精査すると、現在の景気に対する楽観的な見方は後退したものの、足元の景気の底堅さは維持されている。また、現状の雇用に対する楽観的な見方がわずかに強まったことで、労働市場の安定化が改めて示唆された。先行きに関しては、景気に対する悲観的な見方が幾分強まった一方、雇用に対する悲観的な見方は後退。停戦合意の影響もあり、将来の所得に対する期待は強含んでいる。
- 現状指数の構成項目では、「雇用」がプラス幅を拡大させた一方で「景気」がプラス幅を縮小した。現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)は+7.5(前月+6.1:改定前+5.8)とプラス幅を広げ、現在の労働市場に対する良好な見方が維持された。対照的に、現在の景気判断(「良い」-「悪い」)は+4.1(前月+5.9:改定前+5.6)へと低下し、楽観的な見方が弱まった。
- 期待指数の構成項目でも、分野ごとに差がでている。「景気」がマイナス幅を拡大した一方、「収入」はプラス幅を拡大、「雇用」はマイナス幅を縮小させた。具体的には、6カ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)が▲4.7(前月▲3.3:改定前▲3.1)と悪化し、先行きへの不透明感が強まった。一方、6カ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は+6.3(前月+5.6:改定前+5.3)と強含み、所得増加への期待は高まっている。また、6カ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は▲10.8(前月▲12.4:改定前▲12.5)とマイナス幅が縮小したものの、依然として悲観的な見方が優勢な状況に変わりない。
- インフレに関しては、1年先のインフレ見通しが6.1%(前月6.2%)と、3月の急上昇に続き高い水準で推移している。中東情勢を背景としたエネルギー価格の高止まりが、消費者のインフレ心理を「一時的な振幅」から「粘着的な高止まり」へと変質させる懸念がある。こうした家計のインフレ期待の固着に対し、FRBは警戒姿勢を一段と強めるものと考えられる。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
-
経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
執筆者の最近のレポート
-
FRBは中東情勢の混乱が続く中で据え置きもタカ派が台頭 (26年4月28、29日開催FOMC) ~FF先物市場は26年据え置き、27年利上げを織り込む~
金融市場
桂畑 誠治
-
米国: 供給不安が押し上げる見掛けの加速(26年4月PMI) ~中東情勢緊迫化に伴うパニック買い、供給網リスク、インフレ圧力~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:ガソリン高騰の中でも3月小売売上は予想を上回る加速 ~実質給与所得や税還付等が支え、幅広い業種で売上が拡大~
米国経済
桂畑 誠治
-
内外経済ウォッチ『米国~FRBはイラン攻撃で高まった二つのリスクに対応~』(2026年5月号)
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:3月鉱工業生産は予想外の縮小も基調は回復トレンド継続 ~中東情勢が重石となる一方、AI需要が下支え~
米国経済
桂畑 誠治
関連テーマのレポート
-
米国: 供給不安が押し上げる見掛けの加速(26年4月PMI) ~中東情勢緊迫化に伴うパニック買い、供給網リスク、インフレ圧力~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:ガソリン高騰の中でも3月小売売上は予想を上回る加速 ~実質給与所得や税還付等が支え、幅広い業種で売上が拡大~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:3月鉱工業生産は予想外の縮小も基調は回復トレンド継続 ~中東情勢が重石となる一方、AI需要が下支え~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:イラン・中東情勢の混乱でインフレ加速(3月CPI) ~エネルギー価格高騰で、FF金利先物は据え置き観測を強める~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:イラン・中東情勢の混乱が活動を抑制(3月ISM非製造業) ~サービス業でも供給網の混迷と高まるコスト増圧力~
米国経済
桂畑 誠治