- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月57,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
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FEDはFF金利を26年9月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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4月13日、信託大会における植田総裁の挨拶は、4月の利上げを予告する場になるか否かが注目されていた。というのも、2025年12月の利上げに際しては、植田総裁がその約2週間前に「現在、日本銀行では、12月18日、19日に予定されております次回の決定会合に向けて、本支店を通じ、企業の賃上げスタンスに関して精力的に情報収集しているところです。決定会合においては、この点を含めて、内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を、様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について、適切に判断したいと考えています」と、最大限のヒントを与えた経緯があるからだ。当時、2025年12月か2026年1月の2択状態となっていた利上げ予想時期は、この発言が決定打となり12月が極めて高い確度で織り込まれるようになった。
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昨日は、植田総裁がG20会議で米国出張のため、氷見野副総裁が講演原稿を代読する形であった。結論を先取りすると、講演原稿に4月の利上げを示唆する「合言葉」のような表現は含まれておらず、これを受けて金融市場が織り込む4月の利上げ確率は35%へと20%ptも低下した。講演原稿の要旨は下記の通り、どちらかというと慎重なものであった。
「中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要です」
「資源輸入国であるわが国にとって、原油価格の上昇は、交易条件の悪化を通じて景気を下押しする要因となるほか、中東情勢の緊迫が長期化した場合には、サプライチェーンへの影響を通じて、企業の生産活動に下押し圧力がかかるリスクもあります」
「物価面では、原油価格の上昇は、短期的にエネルギー価格等を押し上げると考えられますが、基調的な物価上昇率に対しては、上下双方向に作用する可能性があります」
「景気に下押し圧力がかかり、需給ギャップが悪化すれば、基調的な物価上昇率を下押しする可能性があります」
「原油価格の上昇が、人々の中長期の予想物価上昇率の上昇につながれば、基調的な物価上昇率の押し上げに作用すると考えられます。ここ数年、企業の賃金・価格設定行動が積極化しているなかにあって、こうした物価上昇のメカニズムが過去に比べて強まっている可能性があることにも留意が必要です」
「今後は、中東情勢がなお不透明な状況にあることを踏まえ、その帰趨や、それが経済・物価・金融情勢に及ぼす影響を注視しつつ、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検していきたいと考えています」
- これらを踏まえ、筆者は引き続き7月の利上げを予想し、それに対する自信を深めた。4月の利上げを織り込ませる恐らく最後の機会で「予告」がなかったことに鑑みれば、4月の利上げは急速な円安進行を前提にしない限り、その可能性は低いだろう。4月会合においては「原油価格の帰趨それ自体がどうなるかわからない。仮に原油価格上昇が続く場合、基調的な物価上昇率に与える影響をもう少し時間をかけて見極めたい」などとして判断を先送りするとみている。原油価格が早期に落ち着けば6月も有力な選択肢となろう。
藤代 宏一
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