米国:イラン・中東情勢の混乱も3月CB消費者信頼感の悪化回避

~期待指数の弱含みとインフレ見通し再上昇で先行きに不透明感~

桂畑 誠治

要旨
  • 26年3月のCB米消費者信頼感指数(速報値)は、91.8 (前月91.0:改定前91.2)となった。イラン・中東情勢の混乱が続くなか、市場予想中央値の87.9(筆者予想88.2)への悪化予想に反して上昇した。前月比では0.8ポイントの上昇となったが、依然として水準自体は低く、個人消費の緩やかな増加を示唆する内容にとどまった。 内訳をみると、期待指数が70.9(前月72.6:改定前72.0)と前月比1.7ポイント低下した一方、現状指数は123.3(前月118.7:改定前120.0)と前月比4.6ポイント上昇し、明暗が分かれた。
  • 発表元によれば、「イラン戦争が調査期間と重なったことで、石油・ガス価格や戦争・紛争に関する言及が大幅に増加した」としており、実質的な購買力低下への懸念が浮き彫りとなっている。その影響で「貿易や関税に関する具体的な言及は大きく減少」したが、これは米国・イスラエルのイラン攻撃に伴うガソリン価格高騰等に注目が一時的に移ったためとみられ、関税政策に対する根強い懸念は依然として残存していると考えられる。
  • 現在の景気に対する楽観的な見方が強まり、足元の景気の底堅さが示された。また、現状の雇用に対する楽観的な見方もわずかに強まったことで、労働市場の安定化が改めて示唆されている。先行きに関しては、景気に対する悲観的な見方が幾分和らいだものの、雇用に対する悲観的な見方は強まった。加えて、ガソリン価格の高騰もあり、将来の所得に対する期待は弱含んでいる。
  • 現状指数の構成項目では、「景気」および「雇用」がともにプラス幅を拡大させた。現在の景気に対する判断(「良い」-「悪い」)が+5.6(前月+1.4:改定前+0.7)とプラス幅が拡大し、現在の景気に対する楽観的な見方が強まった。また、現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)は+5.8(前月+5.7:改定前+7.4)とわずかにプラス幅を広げ、現在の労働市場に対する楽観的な見方が維持された。
  • 期待指数の構成項目では、「景気」がマイナス幅を縮小した一方、「収入」はプラス幅を縮小、「雇用」はマイナス幅を拡大させた。6ヵ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)は、▲3.1(前月▲3.6:改定前▲3.4)とマイナス幅を縮小し、景気の先行きに対する悲観的な見方がやや後退した。 一方、6ヵ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は、+5.3(前月+5.9:改定前+5.0)とプラス幅を縮小し、収入増加に対する楽観的な見方が弱まった。さらに、6ヵ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は、▲12.5(前月▲10.2:改定前▲10.4)とマイナス幅が拡大し、雇用の先行きへの悲観的な見方が強まった。
  • インフレに関しては、1年先のインフレ見通しが6.2%(前月5.5%)と高い水準に再上昇した。これにより、家計のインフレ懸念が再び強まっていることが確認された。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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