米国:25年12月住宅着工は西部地域主導で大幅増

~穏やかな天候や規制緩和が寄与も、建設コスト高による先行き不透明感は継続~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年12月の住宅着工件数(季節調整済、年率換算)は、140.4万戸、前月比+6.2%(前月132.2万戸、同+3.9%)となり、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の130.4万戸(同+1.1%)を上回った。25年通年では135.0万戸、前年比▲1.5%と4年連続の減少となった(24年▲3.5%、23年▲8.4%)。
  • 12月は、着工の基調を示す「一戸建て住宅着工件数」が98.1万戸、前月比+4.1%(前月94.2万戸、同+5.4%)と伸びが小幅に鈍化した。一方、「集合住宅の着工件数」は42.3万戸、前月比+11.3%(前月38.0万戸、同+0.5%)と大幅に増加した。一戸建ては、販売の伸び悩みや資材コスト高、人手不足等が続くものの、在庫の減少を背景に緩やかな回復基調にある。集合住宅は、月次での変動が大きいが、横ばい圏で底堅く推移している。
  • 地域別では、最大市場の南部が74.1万戸、同▲2.8%と唯一減少した。一方、西部が33.4万戸、前月比+37.4%と急増し、全米の伸びを牽引した。これは慢性的な在庫不足に加え、例年より穏やかな天候、州政府による用途地域の緩和を受けた集合住宅プロジェクトの集中が寄与したとみられる。北東部(+5.6%)、中西部(+2.3%)も増加した。
  • 12月の住宅建設許可件数(季節調整済、年率換算、改定値)は、144.8万戸、前月比+4.3%(前月138.8万戸、同+0.2%)と増加した。内訳をみると、一戸建て住宅が88.1万戸、同▲1.7%(前月89.6万戸、同+2.1%)と減少に転じた一方、変動の大きい集合住宅が56.7万戸、同+15.2%(前月49.2万戸、同▲7.7%)と大幅増に転じた。 建設業者が先行きへの慎重姿勢を続けるなか、許可件数は一戸建て主導で緩やかに減少傾向を辿っている。地域別では、北東部、中西部、西部は増加した。
  • 住宅建設は、不確実性の高まりや高い実質金利を背景に停滞が続いている。金利の高止まりや価格上昇等による販売鈍化で在庫が増加しているほか、トランプ政権による関税賦課や不法移民取り締まり強化に伴うコスト増・需要鈍化への懸念から、建設業者は新規着工に対して慎重な姿勢を崩していない。
  • 26年の住宅販売は、モーゲージ金利の限定的な低下、実質所得の拡大、企業の販促等によって、小幅増加すると見込まれる。こうした情勢下で、トランプ関税への懸念、不法移民の取り締まり強化に伴う労働力不足や人件費上昇等を受け、建設業者の先行きに対する悲観的な見方が維持されるとみられ、一戸建て住宅着工件数は前年比+1%と小幅に拡大すると見込まれる。   
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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