株高不況 株高不況

為替に従属的な立場に置かれている日銀

藤代 宏一

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総裁会見前に執筆

日銀は金融政策の現状維持を決定した。2025年12月に引き上げられた政策金利は0.75%で据え置かれた。やや驚きだったのは、この決定に対して高田委員が反対票を投じたこと。消費者物価上昇率が2%を超えて推移し、海外経済が回復局面にあることから、国内物価の上振れリスクは高いとして政策金利を1%へ引き上げる議案を提出した。為替の円安に対する警戒もあったとみられる。

展望レポートで示された数値は事前に報道されていたとおり、経済成長率の予想が上方修正された。2025年度に+0.9%(前回10月対比+0.2%pt)となった後、2026年度は+1.0%(同+0.3%pt)に加速し、2028年度は+0.8%(同▲0.2%pt)へと減速するものの、見通し期間中は0%代半ばと推計される潜在成長率を上回る成長軌道になっている。他方、物価上昇率(除く生鮮食品)はガソリンの旧暫定税率廃止等による下押しと、その他の物価上昇要因が綱引し合うことで大きな変更はなく、2025年度は+2.7%と前回対比で不変。2026年度は+1.9%と0.1%pt上方修正、2027年度は+2.0%と不変。なお、ここへ来て急浮上してきた消費税減税は見通しには織り込まれていないと推察される。日銀は見通し作成にあたって「各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成している」としている。

前回の利上げ以降、ドル円はFedの利下げ観測後退に伴うドル高圧力などから、160円を視界に入れての推移が続いており、結果的に利上げは為替に対して所期の効果を得られていない。日銀は依然として、為替に対して従属的な立場に置かれている。

それでも、この後の記者会見で植田総裁が市場参加者の利上げ見通しを引き上げるような発言をするとは考えにくい。筆者の認識する限り、植田総裁は金融政策決定会合後の記者会見を「政策変更の予告」、「市場参加者の予想形成を変化させる」場として使ったことはない。

筆者は引き続き7月の利上げを予想する。2026年春闘賃上げ率が、2025年から鈍化も2024年と同程度になれば、賃金と物価の相互刺激的な上昇は続くとの判断となり利上げとなろう。もっとも、それ以前に円安が進行すれば、6月あるいは4月に動くことも十分に想定される。

藤代 宏一


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