- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 米国 製造業が予想に反して拡大(12月鉱工業生産)
- US Indicators
-
2026.01.19
米国経済
景気指標(米国)
生産指標(米国)
その他指標(米国)
米国 製造業が予想に反して拡大(12月鉱工業生産)
~ハイテク関連等が堅調さを維持し、全体を下支え~
桂畑 誠治
- 要旨
-
- 25年12月の鉱工業生産は、前月比+0.4%(前月同+0.4%)と市場予想中央値同+0.1%を上回った(25年7-11月合計で0.1%p上方改定)。鉱業が同▲0.7%(同+1.7%)と縮小に転じた一方、公益が気温の低下を背景に同+2.6%(同▲0.3%)とプラスに転じたほか、製造業が同+0.2%(同+0.3%)と市場予想中央値の同▲0.1%に反して拡大した。自動車は、トランプ政権の関税政策や前政権の政策転換による不確実性の強いもと、9月末のEV補助金の終了を受け、生産調整が行われている。一方、AIや国防需要の拡大を受け、電気設備・機器・同部品、航空宇宙・その他輸送機器等が高い伸びとなった。
- 生産の基調(3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率)をみると、12月の鉱工業生産は、公益の大幅な増加等によって、同+0.7%(同+0.4%)と加速したが、製造業生産が▲0.7%(前月+0.2%)とマイナスに転じ勢いを失った。ハイテク関連が+7.5%(同+4.4%)とプラス幅を拡大したものの、自動車がEV向けの支援策の終了を受け、同▲23.7%(同▲16.1%)と大幅に落ち込み、全体を押し下げた。
- 12月の設備稼働率は、生産能力の拡大が続くなか、生産の増加によって鉱工業は76.3%(前月76.1%)と小幅上昇した。製造業は、75.6%(前月75.6%)と変わらなかった。製造業、鉱工業の稼働率は、23年よりも低い水準にとどまっているうえ、鉱工業は長期平均(1972~2024年)より3.2%p低い水準にとどまっている。
- 製造業の業種別生産動向を前月比でみると、縮小した業種は、縮小幅の大きい順に、木材製品(▲2.3%)、その他製造業(▲1.6%)、繊維(▲1.3%)、自動車・同部品(▲1.1%)、非鉄(▲1.1%)、アパレル・皮革(▲1.1%)、紙パ(▲0.3%)、印刷・同サポート(▲0.3%)、加工金属(▲0.1%)、その他耐久財(▲0.1%)、化学(▲0.1%)の11業種と前月の10業種から増加した。 一方、拡大した業種は、拡大幅の大きい順に、一次金属(+2.4%)、石油・石炭製品(+1.8%)、電気設備・機器・同部品(+1.7%)、航空宇宙・その他輸送機器(+1.5%)、家具・同関連製品(+0.8%)、食品・飲料・タバコ(+0.5%)、プラスチック・ゴム(+0.3%)、一般機械(+0.2%)、コンピューター・電子(+0.1%)の9業種(前月10業種)と減少した。
- 25年の製造業生産は、4月の自動車関税、相互関税の発動、5月の自動車部品関税の発動、8月の相互関税上乗せ等を受けた需要鈍化やコスト増加、サプライチェーンの調整などによって抑制されたものの、駆け込みによる年初の拡大、堅調な国内需要、低い在庫水準等によって押し上げられ、前年比+1.0%(24年▲1.0%、23年▲0.9%)と増加に転じた。26年の製造業生産は、減税による個人消費や設備投資の拡大のほか、世界的な軍事装備品の需要増加を受け、+1.9%の拡大が予想される。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
-
経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
執筆者の最近のレポート
-
9月FOMC議事録:タカ派姿勢に滲む「データ依存」の慎重さ ~FRBは年内追加利上げを視野に入れるも、決定は今後の経済指標次第~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国内需堅調もインフレ圧力再燃(2026年9月ISM非製造業) ~仕入価格74.0へ高止まり、FRBの高金利長期化がドル高・金利上昇要因に~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:9月雇用統計はFRBに時間的猶予を与える内容 ~10月FOMC利上げ観測後退、トランプ2.0下での労働市場の「綱渡り均衡」が継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国9月ISM製造業は高水準維持も仕入価格が再急騰 ~AI・防衛等の需要が下支えも、インフレ懸念で米金利上昇・ドル強含み~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:9月CB消費者信頼感は物価高を受け81.9へ急落 ~消費者マインドの悪化は個人消費の下振れ要因に~
米国経済
桂畑 誠治
関連テーマのレポート
-
9月FOMC議事録:タカ派姿勢に滲む「データ依存」の慎重さ ~FRBは年内追加利上げを視野に入れるも、決定は今後の経済指標次第~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国内需堅調もインフレ圧力再燃(2026年9月ISM非製造業) ~仕入価格74.0へ高止まり、FRBの高金利長期化がドル高・金利上昇要因に~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:9月雇用統計はFRBに時間的猶予を与える内容 ~10月FOMC利上げ観測後退、トランプ2.0下での労働市場の「綱渡り均衡」が継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国9月ISM製造業は高水準維持も仕入価格が再急騰 ~AI・防衛等の需要が下支えも、インフレ懸念で米金利上昇・ドル強含み~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:9月CB消費者信頼感は物価高を受け81.9へ急落 ~消費者マインドの悪化は個人消費の下振れ要因に~
米国経済
桂畑 誠治