- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月54,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月160円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年前半までに1.25%となろう
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FEDはFF金利を26年3月と6月に引き下げ3.25%とした後、様子見に転じるだろう
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金融市場
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前営業日の米国市場、S&P500が+0.3%、NASDAQが+0.2%で引け。VIXは15.8へと低下。
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米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.30%(+0.6bp)へと上昇。
実質金利は1.848%(+3.4bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+60.1bpへとプラス幅縮小。 -
為替(G10通貨)はUSDが堅調。USD/JPYは158後半で推移。WTI原油が59.2㌦(▲2.8㌦)へ低下。銅は13106.0㌦(▲82.5㌦)へ低下。金は4623.7㌦(▲12.0㌦)へ低下。
注目点
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筆者が世界景気と日本株の先行きを占う上で、定点観測する工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は底堅さを増してきた。通商政策に対する不透明感が後退する中、米国向けと中国向けに加速感がみられる。この間、国内の設備投資計画も堅調であることを踏まえると、全体として回復の流れが頓挫する可能性は低いと判断される。
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1月14日に発表された2025年12月の受注額(原数値)は1582億円であった。前年比では+10.8%と伸び率は減速も、4ヶ月連続で2桁の伸びを達成。筆者作成の季節調整値は前月比+3.3%と増加し、3ヶ月平均値では+3.7%と増加基調が定着した。単月の内訳は「国内向け」の季節調整済み前月比が+12.9%と増加し、3ヶ月平均では同+0.2%と微増。前年比でみても▲1.1%とマイナス圏を脱しつつある。企業の投資意欲はそれなりに強いものの、人手不足が足かせとなり、設備投資の進捗が遅々としていることが一因として考えられる。関連投資の機械受注に目を向けると、受注残高および手持ち月数が積み上がっており、これに伴って新規受注が抑制されている可能性が示唆される。この間、「外需」は前月比で横ばい、3ヶ月平均では+4.7%と力強い伸びを維持した。前年比では+15.1%と15ヶ月連続でプラスを維持し、離陸の様相を呈してきた。地域別詳細は確報を待つ必要があるが、11月までの傾向から判断すると中国と米国が増加基調を維持したとみられる。
- 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。12月グローバル製造業PMIは50.4と好不況の分かれ目の目安とされる50を5ヶ月連続で上回った。通商政策の不透明感が後退する中、AIの爆発的需要もあって新規受注の回復が継続し、世界的に景況感の改善がみられている。そうした下でTOPIXの予想EPSは円安と、企業の資本効率改善に向けた取り組みが奏功していることも相まって増加基調を維持している。
- 12月製造業PMIを地域別にみると、日本は50.0へと1.3pt上昇した。トランプ関税による直接的な影響が限定的なものに留まり、数量ベースの生産高が落ち込みを回避するなか、個人消費が緩慢ながらも回復傾向にあり、生産活動は全体として緩やかに持ち直している。日銀が算出する消費活動指数は、実質値でみても緩やかな増加基調にある。この間、IT関連財の生産集積地である台湾は50.9へと2.1pt上昇し、2025年2月以来の50回復となった。輸出統計との方向感相違は解消に向かっており、景況感の回復は広がりをみせている。この間、韓国は50.1へと0.7pt上昇。メモリ価格が急伸するなか、大手メーカーが増産を急いでおり、その波及効果が窺われる。
- 米国は51.8へと0.4pt低下したものの、堅調に推移している。類似指標のISM製造業(48.7)との乖離が目立っているため、強さを割り引く必要はありそうだが、米国内におけるAI関連投資が隆盛を極めるなか、その恩恵が広がりを持ちつつあることを示唆している。データセンター投資は半導体に限らず、建設、発送電、冷却装置といった具合に広がりを伴う。12月は自動車販売台数も1602万台(年換算)と底堅さを維持しており、そうした下で景況感は良好に推移している。ユーロ圏は48.8へと0.6pt低下した。財政拡張に舵を切ったドイツが47.0(11月48.2)と低下。防衛、航空に牽引された景気拡大に息切れ感がみられ、2022年6月以来の50回復が遠ざかった。他方、フランスは50.7(同47.8)へと急上昇した。

- 中国は50.1へと0.2pt上昇した。既往の不動産市況悪化とトランプ関税対策として、中国当局は景気対策を強化しており、一段の減速は回避されている。中国当局の政策態度を映じるとされるマネー関連統計に目を向けると、11月の社会融資総量(新規フローの12ヶ月平均値)は前月比+0.5%と4ヶ月ぶりに増加し、残高は前年比+8.5%を維持した。新規融資のGDP比(前年差)をとった通称クレジットインパルスは+1.2ptとプラス圏で横這い状態となっている。この指標が日本株の先行指標として機能してきた経緯を踏まえると、現在の株高は一定の裏付けを伴っていると言える。
- 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために、縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均値からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、2025年央までは中心点付近で小さな渦を描いてきたが、過去数か月は右上領域に向けて歩み出した。過去の経験則に従うなら今後も右上方向の進路をとると予想され、回復傾向がはっきりとしてくるだろう。これまで世界の株式市場はAIの頭脳として半導体関連銘柄を中心に物色してきたが、現在はハードとの融合である「フィジカルAI」に対する関心が広がっている。その場合、工作機械を中心に本邦製造業はロボット、FA(ファクトリー・オートメーション)など多くの関連業種を抱える。この見方が正しければ、工作機械受注は株式市場の有用な情報を与えてくれるのではないか。

藤代 宏一
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