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2025.04.04
米国経済
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米国トランプ関税の不確実性で3月ISM非製造業は下振れ
~先行き不透明感を背景に雇用が大幅低下~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 25年3月のISM非製造業景気指数(総合、季節調整値)は、50.8(前月53.5)と前月比2.7%ポイント低下、市場予想中央値の52.9(筆者予想53.2)を下回り、非製造業部門の拡大ペースが鈍化したことを示した。天候の改善、需要拡大によって活動指数が上昇したものの、雇用が大幅に低下したほか、入荷遅延、新規受注が低下し、全体を押し下げた。また、拡大した業種数は10業種(前月14業種)に減少した。
- 発表元によると、「今月は関税によるコスト増加を報告した回答者の数が大幅に増加した」と関税賦課の影響が大きくなっていることが指摘された。ただし、「関税の影響に関するコメントが増え、今後の関税政策や政府支出の減少に対して引き続き懸念しているにもかかわらず、短期的な見通しは、楽観的な見方と悲観的な見方がほぼ拮抗していた」と先行きに過度に悲観的になっていないことが示唆された。企業の報告では、関税をめぐる混乱とサプライヤーの多様な対応によって、購買行動が大きく影響を受けていることが指摘された。さらに、トランプ2.0での、政府の予算削減と人員削減が業務に悪影響を及ぼしていることも報告された。
- 非製造業総合指数の構成項目では、活動指数が55.9(前月54.4、前月比+1.5%ポイント)と上昇した一方、雇用が46.2(前月53.9、前月比▲7.7%ポイント)、入荷遅延が50.6(前月53.4、前月比▲2.8%ポイント)、新規受注が50.4(前月52.2、前月比▲1.8%ポイント)と低下した。
- 活動指数は、比較的高い水準に上昇した。拡大した業種が18業種中12業種(前月9業種)と増加した一方、縮小した業種が3業種(同3業種)にとどまった。需要が堅調な他、通常よりも早い発注など、関税引き上げによるサプライチェーンへの影響に対応するための動きによって、押し上げられたと考えられる。拡大した12業種は、宿泊・飲食サービス、運輸・倉庫、不動産・賃貸・リース、金融・保険、卸売業、小売業、公的部門、農林水産業、公益、教育サービス、医療・社会支援、建設業と続き、全体を押し上げた。
- 雇用指数は大幅低下し、縮小を示す水準となった。雇用の拡大した業種数が18業種中4業種(同7業種)と減少し、雇用の縮小した業種数が10業種(同7業種)に増加した。3月に雇用の拡大を報告した4業種は、建設業、宿泊・飲食サービス、公的部門、金融・保険。一方、雇用の縮小を報告した10業種(7業種)は、その他サービス、企業向けサービス、教育サービス、専門・科学・技術サービス、情報、卸売業、運輸・倉庫、小売業、医療・社会支援、公益となった。先行きに対する慎重な見方を背景に、採用を抑制したと報告された。 また、新規受注は低下した。拡大した業種が18業種中9業種(前月11業種)に減少し、縮小した業種が4業種(同4業種)にとどまった。
- インフレ関係では、仕入価格指数が60.9(前月62.6)と小幅低下したが、18業種中14業種(前月16業種)で上昇しており、インフレ圧力の残存が示された。小売業のみ低下しており、消費意欲の減退を示唆している。石油・同関連製品、無鉛ガソリン、一部のディーゼル燃料が下落した一方、労働コストの継続的な上昇のほか、木材、一部のディーゼル燃料、鉄鋼製品、アルミニウム製品、銅製品、乳製品、空調機器等が上昇した。また、供給不足の分野として、労働、卵が挙げられた。建設業では、アルミへの関税賦課の影響が出始めており、コスト増加は顧客に転嫁されるとの見方が示された。
- 3月に拡大した業種数は、18業種中10業種(前月14業種)と減少した。拡大した業種は、強い順に、宿泊・飲食サービス、運輸・倉庫、金融・保険、卸売業、公的部門、公益、農林水産業、建設業、不動産・賃貸・リース業、小売業と続いた(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す)。一方、縮小した業種は、企業向けサービス、専門・科学・技術サービス、その他サービス、芸術・娯楽・レクリエーション、教育サービス、医療・社会支援、情報産業の7業種(前月3業種)に増加した。なお、鉱業は変わらずとなった。
- 米国経済全体の景気動向を示す「ISM総合景気指数(非製造業景気指数と製造業景気指数の合成)」は、3月に50.6(前月53.2)と低下、拡大ペースの鈍化が示された。四半期では、1-3月期の製造業が50.1と10-12月期の48.2から上昇した一方、非製造業が52.4と10-12期の54.1から低下した。この結果、1-3月期のISM総合景気指数は、52.1と10-12期の53.5から低下し、1-3月期の米経済が減速していることを示している。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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