- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月43,000円程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう。
- 日銀は半年に一度の利上げを続け、2026年1月までに政策金利は1.0%に到達しよう。
- FEDはFF金利を25年末までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が+0.6%、NASDAQが▲0.1%で引け。VIXは22.3へと上昇。
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米金利はカーブ全体で金利低下。予想インフレ率(10年BEI)は2.370%(+0.1bp)へと上昇。
実質金利は1.834%(▲4.5bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+31.8bpへとプラス幅縮小。 -
為替はUSDが全面高。USD/JPYは149後半へと低下。コモディティはWTI原油が71.5㌦(+2.1㌦)へと上昇。銅は9710.0㌦(▲84.5㌦)へと低下。金は3122.8㌦(+36.3㌦)へと上昇。
注目点
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日銀短観(3月調査)によると業況判断DIは、大企業製造業が+12と前回調査対比2pt低下し、市場予想に一致。トランプ関税に対する脅威はあるものの、足もとの業況悪化は限定的であった。大企業非製造業は+35と前回調査対比2pt上昇。市場予想(+33)を上回り、1991年以来の高水準を記録。活況を呈するインバウンド、企業の旺盛なDX関連投資、高止まりする建設需要などが支えになったとみられる。先行き判断DIは大企業製造業が+12となり、現況対比横ばい。北米事業の不透明感が製造業全体の景況感を悪化させるには至らなかった。大企業非製造業は+28と現況対比で慎重な見通しであったが、これは統計のクセとも言うべきもので毎回観察される。必ずしも景気の先行きに慎重になっている訳ではないと推察される。
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業種別にみると、大企業製造業では自動車(12月調査:+8→3月調査:+13、以下同じ)の改善が目を引いた。少なくとも3月までの段階において、業績は会社計画を満たしてきたものと推察される。国内新車販売台数は直近12ヶ月累積値が450万台程度と停滞している一方で、輸出は駆け込み需要もあって底堅く推移したとみられる。その他では造船・重機(+18→+27)、木材・木製品(▲7→+0)、非鉄金属(+12→+15)などが改善。反対に鉄鋼(▲8→▲18)、化学(+21→+13)、窯業・土石製品(+22→+15)などは低下。半導体市況の拡大が鈍化する中、電気機械(+8→+11)は小幅ながら改善を示した。
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大企業非製造業では、宿泊・飲食サービス(+40→+46)の強さが持続した。空前のインバウンド需要が背景にあり、事実、国際収支統計上の旅行収支受取額は年換算で10兆円を視野に入れている(グラフは3ヶ月平均値)。そうした下で対個人サービス(+18→+24)も水準を切り上げた。対面型サービス業は、人手不足によって需要を完全に取り込めなかった可能性が指摘できるものの、業況悪化を招くほどの供給制約に直面している訳ではなさそうだ。その他では卸売(+29→+29)と小売(+13→+21)が堅調に推移。日銀算出の実質消費活動指数や消費者マインド指標を見る限り、個人消費が増加した形跡はみられないものの、値上げによって収益を確保できた可能性が指摘できる。この間、不動産(+57→+59)と建設(+33→+39)の強さも続き、物品賃貸(+32→+39)も一段と水準を切り上げた。これらを見る限り、日銀の利上げが不動産市況を下押しした様子は見受けられない。情報サービス(+56→+46)、対事業所サービス(+40→+46)は共に高い水準を維持しており、企業の旺盛なDX投資が窺える。


- TOPIX構成銘柄と属性の近い大企業全産業の業況判断DIは+23と、3調査連続で横ばいとなった。方向感は横ばいだが、水準は高い。またTOPIXの予想EPSと密接に連動する売上高経常利益率の年度計画は+9.57%と前回調査から一段と水準を切り上げた。円安の追い風を割り引く必要はありそうだが、人件費増加をこなして収益力は一段と高まっている。自動車を中心に先行き不透明感は強まっているものの、予想EPSは更なる増加を遂げる可能性があるだろう。

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なお日銀短観の調査は、前月からの変化を問うPMI等と異なり、比較時点を問わない形式である。そのため、回答にあたって自社の収益計画を基準にしている企業は多いと考えられる。自社計画を超過していれば「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択から「良い」を選択するはずであり、そうであれば業況判断DIの改善は業績上方修正の余地と考えることができる。短観とアナリスト予想の方向感が一致するのはそうした背景があるからではないか。
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次にインフレ関連項目に目を向けると、企業の物価見通し(全規模・全産業、1年後)は、販売価格見通し(≒自社製品・サービスの価格設定スタンス)が物価見通し(≒日本の物価上昇率)を上回る傾向が続いた。物価見通しが+2.5%であるのに対して、販売価格計画は+2.9%となっており、ここから判断すると、当分の間、積極的な価格転嫁が続くと思われる。こうした「販売価格計画>物価見通し」という構図はコロナ期前には観察されなかった新たなものであり、値上げによって収益を確保する企業行動が「新常態」になったことを窺わせる。最後に賃金由来のインフレ圧力を計測するために雇用人員判断DI(全規模全産業)に目を向けると、▲37と不足感が一段と強まった。中小・非製造業に至っては現況が▲48、先行きが▲52とより深刻な領域にあり、人材争奪戦が熾烈さを増していることが浮き彫りとなった。人手不足を理由とする賃金上昇圧力は一段と強まっていると判断される。
藤代 宏一
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