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2025.03.12
日本経済
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景気予測調査から見た25年度業績見通し
~「農林水産」「生活関連サービス」「宿泊・飲食サービス」で大幅増益計画~
永濱 利廣
- 要旨
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- 2025年1-3月期の法人企業景気予測調査を見ると、25年度計画では、売上高が5期連続で増収計画になるも、諸々のコスト増やトランプ政権誕生に伴う先行き不透明感等により経常利益は減益計画。
- 25年度の増収計画幅が大きい業種は「情報通信機械」「医療・教育」「宿泊・飲食サービス」「情報通信」「その他サービス」と続く。「情報通信機械」は減益計画であるため、諸々のコスト増に伴う価格転嫁が寄与していることが推察される。「医療・教育」「宿泊飲食サービス」「情報通信」については、医薬品や医療機器の販売増に加えて、高校教育無償化や大阪関西万博開催などに伴う関連サービスの需要拡大が見込まれていることが推察される。「その他サービス」は、大阪関西万博や東京都議会議員・参議院選挙等に伴う建物サービスや警備需要の増加が期待されている可能性。
- 25年度に大幅増益が計画されている業種は「農林水産」「生活関連サービス」「宿泊・飲食サービス」「医療・教育」「パルプ・紙・紙加工品」の順となる。「農林水産」については農産品の輸出が好調なことに加え、諸々の供給不足などにより価格転嫁が進んでいることが推察される。「生活関連・宿泊・飲食サービス」は、いずれもインバウンド消費の拡大に加えて、大阪関西万博等に伴う需要増を期待している可能性。「医療・教育」は堅調な需要を受けて強気な計画、「パルプ・紙・紙加工品」については石炭等の価格が低下していることに伴うコスト減効果が大きいことが推察される。
- 足元の影響がより反映される3月日銀短観の業種別収益計画(4月2日公表)も、来期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
25年度は増収減益計画
3月12日に公表された2024年1-3月期法人企業景気予測調査は、今年2月下旬にかけて資本金1千万円以上の法人企業に対して行った景気予測調査であり、来期の業種別企業業績計画を予想するための先行指標として注目される。
そこで本稿では、今年4月下旬からの今年度決算発表において、来年度の企業業績計画の好調さが見込まれる業種を予想してみたい。
(図表1)は、本調査のうち大企業(資本金10億円以上)の各調査時期における売上高と経常利益計画の年度見通しを見たものである。まず売上高を見ると、25年度は5年連続の増収計画となっている。このことから、決算でも来期の売上高計画が強い業種には注目が集まるものと推察される。
一方、経常利益は全産業で24年度は+10.3%の増益計画となっているが、コスト負担増やトランプ政権誕生に伴う先行き不透明感等が影響してか、25年度は▲3.9%と減益に転じる計画となっている。このことから、4月下旬からの決算発表では、多くの業種で来年度減益計画が出てくることが予想される中、増益計画が打ち出される業種には注目が集まるものと推察される。

大幅増収期待の「情報通信機械」「医療、教育」「宿泊・飲食サービス」
以下では、4月下旬からの決算で、来季売上高計画で高い増収率が期待される業種を見通してみたい。(図表2)は業種別売上高計画(全規模)を24年度と25年度の前年比で比較したものである。

結果を見ると、25年度は「木材・木製品」「石油・石炭」「非鉄金属」「生産用機械」「自動車・同付属品」「鉱・採石・砂利採取」「建設」「電気・ガス・水道」「リース」以外の業種で増収計画となっている。中でも、増収率が高い業種は「情報通信機械」「医療・教育」「宿泊・飲食サービス」「情報通信」「その他サービス」となっている。
まず「情報通信機械」を詳細に見ると、経常利益が減益計画になっていること等からすれば、原材料や人件費コストに伴う価格転嫁等が増収計画に寄与していることが推察される。
一方、「医療・教育」や「宿泊・飲食サービス」「情報通信」については、いずれも大幅増益計画になっていることからすれば、医薬品や医療機器の販売増に加えて、高校教育無償化や大阪関西万博開催などに伴う関連サービスの需要拡大が見込まれていることが推察される。
他方、「その他サービス」については、廃棄物処理や自動車整備、機械等修理、建物サービス、警備などが含まれていること等から、大阪関西万博や東京都議会議員・参議院選挙等に伴う建物サービスや警備需要の増加が期待されていることが推察される。
「農林水産」「生活関連サービス」「宿泊・飲食サービス」で大幅増益計画
続いて、経常利益計画から24年度の業績拡大が期待される業種を見通してみよう。結果を見ると、多くの業種で減益計画となっており、これは諸々のコスト増が主因と推察される(図表3)。
こうした中、増益率が高い業種は「農林水産」「生活関連サービス」「宿泊・飲食サービス」「医療・教育」「パルプ・紙・紙加工品」であり、いずれも10%を大きく上回る増益計画となっている。

特に「農林水産」については、増収計画にもなっていることからすれば、農産品の輸出が好調なことに加え、諸々の供給不足などにより価格転嫁が進んでいること等から、増収増益が期待されていることが推察される。
また、大幅増収計画の「宿泊・飲食サービス」に加えて「生活関連サービス」も3割前後の増益計画となっている。生活関連サービスは旅行業が含まれることからすれば、いずれもインバウンド消費の拡大に加えて、大阪関西万博等に伴う需要増を期待している可能性があろう。
加えて、増収増益計画となっている「医療、教育」は、高校授業料無償化などもあることから、堅調な需要を受けて強気な計画になった可能性がある。
一方、24年度が大幅減益となる「パルプ・紙・紙加工品」については、25年度の売上高が小幅増収計画であることからすれば、主な原材料となる石炭などの価格が低下していることに伴うコスト減効果が大きいことが推察される。
なお、日銀が4月2日に公表する3月短観の業種別収益計画(大企業)は、法人企業景気予測調査に比べて聞き取りのタイミングが若干遅いことから、3月短観における大企業の収益計画も期末決算と来期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
永濱 利廣
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

