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- BOEは斬新的な利下げを継続へ
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- BOEは6対3の多数で12月の追加利下げを見送ったが、需要鈍化によるインフレ下振れを警戒する3人の政策委員が今回の会合での利下げを主張した。据え置きを主張したベイリー総裁を含む主流派メンバーは、今後のデータを見極めたうえで斬新的な緩和決定が望ましいと考えている。最近の英国の経済指標は成長率の下振れと物価や賃金の上昇加速が併存し、軽いスタグフレーション的な様相を呈しているが、主流派メンバーは物価上昇が一時的なものであると判断。金融政策レポートの発表月に合わせた四半期に1回25bp刻みの追加利下げ決定が基本シナリオとなろう。
金融政策レポート(旧物価レポート)の発表月に合わせて8月・11月に利下げを行った英イングランド銀行(BOE)は、12月の政策委員会(MPC)で、6対3の賛成多数で政策金利を4.75%に据え置いた。就任以来19回のうち14回で多数派意見よりも低い政策金利を主張している最ハト派のディングラ委員に加えて、8月の利下げ開始に先駆けて5月から利下げを主張してきたラムスデン副総裁、9月にMPCメンバーに加わったテイラー委員が利下げ支持に回った。
今後の金融政策スタンスの判断については、「引き締め的な政策を漸進的に緩和するアプローチが望ましい」、「インフレ率が中期的に2%の目標まで持続的に復帰するリスクがさらに解消するまで、十分な期間、引き締め的な政策を継続する必要がある」、「委員会は引き続きインフレが持続するリスクを注意深く監視し、各会合で金融政策の適切な引き締め度合いを決定する」との従来の方針を維持した。
利下げを主張した3メンバーは、最近のデータが需要低迷と労働市場の悪化を示唆し、需要・賃金・物価に更なる下押し圧力が掛かる可能性を指摘。短期的には、こうした下押し要因に加えて、不確実性の高まりと世界経済の弱さが、一時的なヘッドライン・インフレ率の上昇との間で政策上のトレードオフを引き起こしているが、中期的には、極めて制限的なスタンスを継続することで、2%のインフレ目標からの持続不可能な乖離と、需給ギャップを過度に拡大するリスクを高めるとし、利下げが正当化されると主張した。
政策金利の据え置きを主張した6メンバーは、短期的な経済活動に関するデータの多くは弱まったが、消費者物価の上昇率、賃金上昇率、幾つかの期待インフレ率指標が上昇するなど、インフレが持続するリスクが高まっており、なかでも企業が直面する雇用コストの上昇が経済に与える影響が引き続き不透明であると指摘。負の供給ショックがここ数年繰り返されてきたことを背景に、今後のデータが、インフレ圧力のより持続的な上昇と、生産と雇用の一段の弱さとの間の潜在的なトレードオフを明確にするのに役立つであろうと主張。うち5人のメンバーは、最近の情勢が、特定の会合で政策を変更するコミットメントを避け、制限的な政策の撤廃に向けた漸進的なアプローチを進める論拠を高めると指摘した。最タカ派のマン委員とみられる残り1人のメンバーは、経済活動やインフレに関する細分化した指標の動向と今後の見通しは、より積極的な戦略を正当化する可能性があると主張した。
最近の英国の経済指標はGDPの悪化や労働関連指標の鈍化が進む一方、物価や賃金が上振れするなど、軽いスタグフレーション的な様相を呈しており、金融市場参加者の間で従来の想定に比べて利下げペースが緩やかになるとの観測も浮上している。最近の先物金利は、来年中の追加利下げが50bpにとどまり、利下げの最終到達点も4.0%と予想する。だが、MPC内の主流派の考えは、経済活動や労働市場の軟化がインフレ圧力の沈静化につながることを重視している模様。実際、過去数ヶ月の消費者物価の上昇率加速の多くは、前年同月の裏によるものとみられ、BOEも11月の金融政策レポートの見通しで、物価の再加速を予想していた(図)。その子細な点検が可能となる金融政策レポートの発表月に合わせて、四半期に1回25bpの追加利下げを行うのが基本路線とみられる。これはベイリー総裁の最近の発言(12月4日のファイナンシャル・タイムズ紙のインタビュー)とも一致する。なお、米大統領選挙でのトランプ氏の勝利を受け、世界的な貿易摩擦の激化に関する不確実性が高まっているが、今回の政策決定や最新の景気・物価見通し(11月の金融政策レポート)ではその経済的な影響を考慮していないと説明している。

田中 理
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