株高不況 株高不況

もう始まっている 12 月金融政策決定会合

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000円程度で推移するだろう。
  • USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう。
  • 日銀は12月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
  • FEDはFF金利を25年末までに3.50%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
目次

金融市場

  • 前営業日の米国株は、S&P500が+0.5%、NASDAQが+0.0%で引け。VIXは16.9へと低下。

  • 米金利はベア・フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.352%(▲1.0bp)へと低下。
    実質金利は2.074%(+2.0bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+7.1bpへとプラス幅縮小。

  • 為替(G10通貨)はJPYが全面高。USD/JPYは154半ばへと低下。コモディティはWTI原油が70.1㌦(+1.2㌦)へと上昇。銅は9008.5㌦(▲81.0㌦)へと低下。金は2674.9㌦(+23.2㌦)へと上昇。

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経済指標

  • 11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は▲8.5へと10月の+10.3からマイナス転化。もっとも、ISM製造業景況指数のウエイトを用いてISM換算した数値は52.5と10月から0.5ptの低下に留まっており、水準もISM製造業(46.5)を大幅に上回っている。10月に不可解なほど弱い結果となったISM製造業は、大統領選の結果が判明したことによる不透明感の後退もあり、11月に大幅な改善を示す可能性がある。

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  • 10月米中古住宅販売件数は前月比+3.4%、396万件となり3ヶ月ぶりに増加。依然としてリーマンショック時の最悪期並みの低水準であるが、下げ止まりつつある。

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注目点

  • 11月21日は植田総裁の発言を受けて円高、円金利上昇が進行した(※講演内容の全容は報道されていない。日銀HPにはフランスの金融市場振興団体パリ・ユーロプラスなどが主催したイベントにおける挨拶原稿のみが掲載されている)。植田総裁は「現時点で金融政策決定会合の結果を予測するのは不可能だ」、「その時点で集まるデータをもとに会合ごとに判断する」、「金融政策決定会合までには1ヶ月程度ある。それまでの期間に様々なデータや情報が利用可能となるだろう」などと英語で発言したと伝わっている。今後の政策方針についてほとんど示唆的な情報はなく、11月18日の名古屋における講演内容と同様の内容であったが、USD/JPYが155円超で推移する中、金融市場では2024年12月もしくは2025年1月における利上げがより強く意識されたとみられる。植田総裁が為替市場を牽制すべく「利上げに含みを持たせた」と捉えた金融市場参加者が存在したことを窺わせる動きであった。

  • 筆者は為替と利上げ確率を以下のとおり想定している。もちろん、金融政策決定会合前後に急速な方向感の変化が観察されていなことを前提にするが、USD/JPYが160円超なら「利上げほぼ確実」、155~160円程度なら利上げ確率80%、150~155円程度なら70%、145~150円程度なら50%、140~145円程度なら30%程度、140円未満なら10%程度が妥当であるとみている。

  • 現在の日銀を取り巻く環境は、消費者物価が日銀の物価目標を大幅に上回って推移する中、名目賃金は毎月勤労統計の所定内給与が+3%程度まで高まっており、これは2%の物価目標に対して十分すぎると言っても過言でははない。またここへ来て個人消費にも明るい兆しがみれる中、日銀は個人消費の基調判断を「底堅い」から「緩やかな増加基調」へと上方修正しており、もはや利上げの障壁と見做していない可能性が高い。個人消費の回復は、自動車の供給制約による一過性の落ち込み(1月)と、定額減税による一過性の押し上げ(6月以降)が背景にあるため必ずしも実力とはいえないが、かなり贔屓目にみれば緩やかに増加しているのは事実。

  • このように物価、賃金、個人消費、為替が日銀の利上げを支持する方向にあることを踏まえると、12月会合における利上げの蓋然性は高いと筆者は判断している。

藤代 宏一


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