貿易統計(2024年9月)

~7-9月期の実質輸出は半導体関連で持ち直し~

大柴 千智

要旨
  • 9月の貿易統計では、輸出金額が前年比▲1.7%、輸入金額が同+2.1%となり、貿易収支は▲2,943億円の赤字(事前予想コンセンサス:▲2,121億円の赤字)となった。輸出、輸入ともに数量指数では前年比減少が続く中、為替レートが円高に進んだことで価格指数も前年比縮小した。この結果、輸出金額は10か月ぶりに前年比減少に転じ、輸入金額も縮小傾向が続いた。
  • 物価変動の影響を除いた実質輸出をみると、9月は前月比+2.5%と4か月連続の増加となった(実質化と季節調整は第一生命経済研究所)。四半期で見ると、7-9月期は前期比+3.2%と、2四半期連続の増加となった。7—9月期を牽引したのは、NIESやASEANを中心としたアジア向けの電子機器や一般機械である。一方で、米国向け、中国向けは前期比マイナスとなるなど、主要輸出相手国向けは伸び悩んだ。
  • 先行きも、世界的なハイテク需要の回復を反映して半導体関連が輸出の支えとなるだろう。もっとも、欧米諸国や中国の景気減速や自動車需要の一巡によって、目先の実質輸出の下押し圧力は依然として強い。足元の円高も輸出にとっては向かい風であることから、輸出の回復は緩やかなものに留まるだろう。
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大柴 千智

おおしば ちさと

経済調査部 副主任エコノミスト(~25年3月)
担当: 日本経済短期予測

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