貿易統計(2024年8月)

~円高進行で名目金額の伸びは縮小~

大柴 千智

要旨
  • 8月の貿易統計では、輸出金額が前年比+5.6%、輸入金額が同+2.3%、貿易収支は▲6,953億円の赤字となった。名目金額については、今月は為替レートが円高に進んだことで、輸出価格(7月:+16.3%→8月:+8.6%)、輸入価格(7月:+11.7%→8月:+6.3%)ともに切り下げたことから、輸出金額、輸入金額ともに前年比で伸びが大きく縮小し、市場予想を下回る結果となった。
  • 物価変動の影響を除いた実質輸出をみると、8月は前月比+1.4%と3か月連続の増加となった(実質化と季節調整は第一生命経済研究所)。世界的な半導体需要の持ち直しを反映して、アジア向けの電気機器輸出を中心に上向きの兆しが見える。先行きも、こうしたIT関連需要が輸出の一定の下支えとなるだろう。もっとも、米国、欧州といった主要相手国の景気減速や自動車需要の一巡という悪材料もある。足元の円高も輸出にとっては向かい風であることから、当面、回復は緩慢なものに留まるだろう。
こちらのレポートについては、PDF形式によるご提供となっております。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。

本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。