- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月150程度で推移するだろう。
- 日銀は12月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
- FEDは9月に利下げを開始、FF金利は25年末に4.00%(幅上限)への低下を見込む。
金融市場
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前日の米国株はまちまち。S&P500は+0.1%、NASDAQは▲0.5%で引け。VIXは17.1へと上昇。
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米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.090%(+0.8bp)へと上昇。
実質金利は1.527%(▲4.2bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+6.5bpへとプラス幅縮小。 -
為替(G10通貨)はUSDが全面安。USD/JPYは140前半へと低下。コモディティはWTI原油が70.1㌦(+1.4㌦)へと上昇。銅は9390.0㌦(+82.0㌦)へと上昇。金は2585.2㌦(▲1.6㌦)へと低下。
経済指標
- 9月NY連銀製造業景況指数は+11.5と市場予想(▲4.0)に反してプラス圏に回帰。ISM製造業のウェイトを用いてISM製造業に換算した数値も、52.1へと8月の47.2から大きく上昇した。この指標とフィラデルフィア連銀製造業景況指数の平均値は、ISM製造業の先行指標として有用。もちろん今後発表されるフィラデルフィア連銀調査の結果次第ではあるが、少なくとも今回の結果は9月ISM製造業が改善する期待を高めたと言える。

注目点
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一度は25bpの利下げで決着したかのように思えた9月FOCMの利下げ幅は、土壇場になって50bpの可能性が急浮上している。9月13日にダドリー・前NY連銀総裁(在任中はハト派)が労働市場の軟化、インフレ沈静化などを踏まえ、「実際に実施するかどうかは別だが、50bpの利下げを支持する強い論拠はあると思う」として50bpの利下げに前向きな発言をした。その後、WSJの著名記者であるニック・ティミラオス氏が50bpの利下げがFOMC内で検討されていると報じたことで、FF金利先物は50bpの利下げを一気に7割超の確率で織り込むに至った。
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米経済に顕著な減速感がみられていないことから、筆者個人はウォーラー理事やウィリアムズ・NY連銀総裁が仄めかした25bpの利下げが選択されると予想している。ただし、8月23日にジャクソンホール・シンポジウムでパウエル議長が「労働市場環境の一段の冷え込みは望みも歓迎もしない」と発言して以降、雇用統計やJOLTS求人統計は労働市場の冷却が着々と進んでいる事を示す内容となっている。こうした環境変化を踏まえれば、パウエル議長が果敢な利下げを選択しても不思議ではない。正直なところ25bpか50bpになるかは五分五分とまでしか言えない。
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50bpの利下げを選択した場合、Fedは先手必勝型の利下げ計画を想定しているのかもしれない。中立金利を2.75%とした場合、そこまでに十分な距離がある利下げの前半戦は50bpを講じ、中立金利に近づいてから25bp幅で微調整をするという戦略もあり得るだろう。その点はドットチャートの形状、パウエル議長の記者会見などで何らかの示唆が得られるかもしれない。
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9月FOMCを受けた金融市場の動きはどうなるであろうか。まず25bpの利下げだった場合、米国株は調整の恐れがある。果敢な利下げに対する期待が足もとの米国株上昇の背景にあったことは否定しようのない事実であり、失望売りが膨らみ易いだろう。その場合、日本株は円高一服が緩衝材となり(米国株対比で)底堅い展開が予想される。25bpの利下げが選択されれば、米長期金利に上昇圧力がかかり、USD/JPYは円安方向へと推移する可能性が高い。8月以降、円高に伴い日米相対株価が低下基調(日本株劣後)を強めてきたことに鑑みれば、円安は日本株に一定の追い風をもたらすと判断される。

- 50bpの利下げが選択された場合、米国株上昇にけん引され、日本株は上昇が見込まれる。円高が日本株の重荷となり米国株に劣後する可能性は高いが、それでも指数水準がマイナスに転じる事態には至らないだろう。また、やや長い目で見た場合、利下げなど複合的要因で米国経済が持ち直せば、USD/JPYは円安方向への回帰が見込まれる。USD/JPYは米国のエコノミック・サプライズ指数(指数上昇は経済指標の実績値がエコノミスト予想を上回る傾向にあることを意味)が低下する中で(米長期金利の低下を伴い)円高方向に推移してきたが、エコノミストの目線が徐々に切り下がる中で、米指標が底打ちすれば、エコノミック・サプライズ指数は上向きに転じ、USD/JPYが方向感を一にする展開も十分に考えられる。

藤代 宏一
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