- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月34,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月138程度で推移するだろう。
- 日銀は2024年後半にマイナス金利を撤回するだろう。
- FEDはFF金利を5.50%(幅上限)で据え置くだろう。利下げは24年4-6月を見込む。
金融市場
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前日の米国株は上昇。S&P500は+0.7%、NASDAQは+0.9%で引け。VIXは15.7へと低下。
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米金利はツイスト・フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.323%(▲0.9bp)へと低下。実質金利は1.909%(+0.8bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲84.5bpへとマイナス幅拡大。
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為替(G10通貨)はJPYの弱さが目立った。USD/JPYは146半ばへと上昇。コモディティはWTI原油が79.8㌦(+0.8㌦)へと上昇。銅は8355.5㌦(▲4.0㌦)へと低下。金は1911.1㌦(▲7.1㌦)へと低下。
注目点
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8月はFOMCが開催されないこともあって高い注目を浴びていたジャクソンホール・シンポジウムにおけるパウエル議長の講演は、新たな示唆に少なかった。8月9・10日にNY連銀のスタッフが自然利子率(実質均衡金利、R*)について、「推計方法によってはかなり高い数値が得られる」といった趣旨のペーパーを発表し、それがジャクソンホール・シンポジウムに向けた一種の布石ではないかとの見方が広がっていたため、やや肩透かしを食らった格好だ。2020年のジャクソンホール・シンポジウムにおけるパウエル議長の講演が、アベレージ・インフレーション・ターゲティングという新たな政策枠組みを公表する場になったことから、(恐らく何もないと思いつつも)あわやそれに近い衝撃がもたらされる可能性も排除できないと構えていたが、講演内容はさながらFOMC後の定例記者会見であった。中立金利(≒実質均衡金利+インフレ率)に関する言及は1分にも満たず、自然利子率やR*(アールスター)についてはその単語すら直接的な言及はなかった。筆者は9月FOMCにおける利上げ見送り予想を維持する。
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約15分の講演時間の半分以上は現在のインフレの要因分解と実体経済の概要説明に充てられた。コア財、家賃、家賃以外のサービスについて、それぞれ多くのエコノミストが既知の内容が述べられた。サプライチェーン問題の解消が中古車価格を中心に耐久財価格を下押しすること、高金利の住宅ローンが住宅市場の冷却を通じて家賃を下押しすること、労働コストの増勢鈍化が(労働集約的な)サービスセクターのインフレ鈍化に寄与すること。これらは過去のFOMCで繰り返し言及されたきたことでもあり、メッセージ性に乏しかった。
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実体経済については既往の金融引き締めにより長期(10年)の実質金利が150bp上昇し、それに伴い銀行貸出態度が厳格化し、貸出の伸び率が大幅に低下したことに言及。それが鉱工業生産や住宅投資の減速を招いたと説明した。ただし、それでもGDP成長率の減速は想定いたほどではなく、特に最近の個人消費の強さと、住宅市場の再加速は想定外であるとの見解が示された。労働市場については、移民流入数の回復と、25-54歳の労働参加率上昇によって労働供給が回復すると同時に労働需要が減少していることから、需給不均衡のリバランスが進展し、それに伴って賃金上昇圧力が和らいでいると説明された。なお、賃金の文脈の中で、最近のインフレ率低下によって実質賃金は寧ろ上昇しているとの見解が示されたが、それに対する深掘りはなかった。
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これら説明の後、パウエル議長は「2%の目標は不変」と短い文章で言い切った。また中立金利の推計に関しては、政策金利(5.5%)が中立金利(推計値2.5%)を上回る現在の環境において「経済活動、雇用、インフレを下押するのを目の当たりにしている」と表現することで、中立金利の推計が概ね正しいとの見解を示した形だ。もちろん中立金利の推計が正しいかは見極められないとしたものの、議論はそこまでであった。その後、パウエル議長は金融政策のタイムラグや、低失業率と労働需給のミスマッチが併存する現在の環境の異質性について言及した上で、今後の政策運営を慎重に舵取りしていくとの方針を示し講演を締めくくった。
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なお、最後のパートで「我々は曇り空の下で星(・)を頼りに航海している(we are navigating by the stars under cloudy skies)」との比喩的な言及があった。「星」は「アールスター(・・・)」を意識したものだろうか?
藤代 宏一
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