- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを6-7月に修正するだろう。長期金利の変動許容幅拡大を見込む。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)で据え置くだろう。利下げは10-12月期を見込む。
金融市場
- 前日の米国株はまちまち。S&P500は+0.0%、NASDAQは+0.2%で引け。VIXは17.0へと低下。
- 米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.239%(+2.3bp)へと上昇。実質金利は1.265%(+4.7bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲49.8bpへとマイナス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はUSDが中位程度。USD/JPYは135近傍へと上伸。コモディティはWTI原油が73.2㌦(+1.8㌦)へと上昇。銅は8581.5㌦(±0.0㌦)へと上昇。金は2033.2㌦(+8.4㌦)へと上昇。
注目点
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かつてなく注目されていたシニア・ローン・オフィサー・オピニオン・サーベイ(SLOOS)が公表された。結果は予想通り銀行貸出態度が厳格化し、それと同時に(企業側の)資金需要が減衰していることを示すものであった。もっとも、その度合いは筆者を含む市場参加者が警戒していたほどきついものではなく、ある意味で安心感のある結果であった。ちなみにこの調査結果は5月3日のFOMC時点においてFRB内部では利用可能になっていた。FOMC参加者はこの指標の悪化が限定的であったことを踏まえた上で25bpの利上げを決定していたことに留意する必要がある。
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銀行貸出態度は大・中企業向けが+46.0、小企業向けが+46.7とそれぞれ厳格化(≒悪化)した。もっとも、両者の悪化幅は1桁前半と過去数回の調査対比で明確に縮小。3月以降の銀行破綻が企業の資金繰り環境に非連続的な変化をもたらしたとの懸念は少なくとも現時点で杞憂に終わっている。

- 他方、ローン資金需要は大・中企業向けが▲55.6、小企業向けが▲53.3へと減少(≒悪化)。このことは銀行側が貸出態度を厳格化する以前の問題として、企業が景気減速を見据えて設備投資、M&Aの計画を先送りないしは撤回している可能性を示唆する。これはNY連銀製造業景況指数の期待項目が軒並み低下基調にあることとも符号する。企業支出の減少基調に拍車がかかる公算が大きい。
- 今回の調査で特に懸念されるのは、やはり商業用不動産向けの融資動向。オフィス空室率の構造的上昇など不動産市況の悪化が目立つ中、Fedの利上げによって調達金利が高止まりしていることから、商業用不動産向けの貸出態度は広範な用途で厳格化した。現時点で商業用不動産市況の悪化が大型倒産(含む投資ファンド)に繋がったケースは報告されていないが、今後、資金繰り環境が厳しくなるにしたがって、どこかの企業やファンドの悲鳴が轟くことは十分に想定される。

- 今後、貸出態度の厳格化に歯止めはかかるだろうか。それはFedの利下げが実施され、長短金利差の逆転が解消されない限り期待しにくい。銀行は短期金利の上昇により資金調達コストが増す中、貸出利鞘を安定的に稼ぐことが難しくなっており、貸出先の選定をより厳格に精査せざるを得ない状況にある。短期金利の低下によって長短金利差の逆転が解消すれば、(貸出金利を大幅に上乗せをしなくとも)利鞘を確保することは容易になるが、それにはインフレ率が十分に低下する必要がある。

- もっとも、Fedが6月に利上げを停止する可能性は高まっており、その意味で貸出環境が追加的に悪化するリスクは和らいでいる。銀行貸出態度の厳格化が失業率の上昇に繋がるという過去の経験則を崩すために現時点で採り得る最良の選択肢は利上げ停止であり、Fedがそれを選択する可能性が高いと筆者は判断している。過去、銀行貸出態度と失業率が一定の連動性を有してきた経緯を踏まえると、目下の貸出態度厳格化は「手遅れ」にも見えるが、今回は55歳以上の労働参加率が低下し極端な人手不足状態にあり、失業率が約50年ぶりの低水準で推移するという特殊な環境にあるため、銀行貸出態度の厳格化が企業の資金繰り悪化に直結し、直ちに倒産・失業が急増するとは限らない。

藤代 宏一
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