- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月137程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを少なくとも2023年4月までは維持するだろう。
- FEDは23年3月までにFF金利(誘導目標上限値)を5.25%へと引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。NYダウは▲0.8%、S&P500は▲1.1%、NASDAQは▲1.0%で引け。VIXは22.6へと低下。
- 米金利カーブはツイスト・スティープ化。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.130%(▲3.7bp)へと低下。実質金利は1.349%(+7.5bp)へと上昇。
- 為替(G10)はJPYが最強。USD/JPYは136後半へと下落。コモディティはWTI原油が74.3㌦(▲1.8㌦)へと低下。銅は8266.5㌦(▲27.0㌦)へと低下。金は1790.0㌦(+12.8㌦)へと上昇。
注目点
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12月17日に共同通信は、2013年1月に定めた政府と日銀の共同声明(アコード)を見直す方針であることを、複数の政府関係者からの情報として伝えた。記事によると「できるだけ早期に実現する」としている2%の物価上昇目標の達成時期を見直す案が検討される模様。また2%の目標それ自体は維持しつつも、それを「中長期的」な目標に格下げする案も検討されているという。その他では2%目標に幅を持たせる案も浮上しているなどと報じられた。
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共同声明の発表から10年を迎える節目の年にこのような動きがあることはある意味自然な流れであろう。日銀の金融緩和が異常な円安を招いたとの認識が政府内で広がったことで、日銀を金融緩和路線から「解放」するためには物価目標の柔軟化、ひいては共同声明を見直しが必要との認識が芽生えつつあるとみられる。また異常な低金利が国民の貯蓄機会を奪っていることに対する懸念もあるとみられる。
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もっとも、17日に日経新聞が追随した報道によれば、共同声明を見直すことに対しては「デフレ脱却に向けた政府のメッセージが弱まる」、「今の共同声明の表現はよくできている。見直すにしても、どう変えるのかが難しい」(政府関係者)、「微修正はともかく、核となる表現は現時点で見直す必要はない」(日銀関係者)といった具合に消極的な声もあるようだ。アベノミクスの象徴的存在だった共同声明を見直すことはそれなりにハードルが高いということだろう。
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共同声明の見直しは、金融緩和路線の修正を強く想起させる。金融緩和路線の修正ありきで話を進めるなら、共同声明の見直しは外堀を埋める(≒市場参加者に織り込ませる)という意味において筋の良い戦略に思えるが、いざ共同声明を修正するとなると「できるだけ早期に」というそもそも曖昧な表現を見直すことにどれほどの意味があるかは疑問が残る。2%目標そのものを放棄するなら話は別だが、見直し前後で内容がほとんど変わらない可能性は十分にある。
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共同声明の見直しよりも重要なことは、現在の物価上昇が一時的か否かだろう。これまでの物価上昇に比べて持続性がありそうとの判断に至れば、共同声明の改定に関係なく日銀は緩和修正に舵を切る。その点、日銀短観(12月調査)は企業の価格設定スタンスが「インフレ体制」に変化しつつあることを示しており注目に値する。筆者が注目する非製造業の販売価格判断DIは大企業が+28、中小企業が+26と共にバブル時の頂点に比肩する勢いで上昇し、値上げの裾野拡大を印象付ける領域に達している。これまで企業はコストプッシュ型のインフレに直面した際に十分な価格転嫁ができず、結果的にそれは賃金の下押し要因になってきたが、深刻な人手不足と投入物価の上昇に直面する企業は、最後まで値上げを我慢してシェアを守ろうとする消耗戦に距離を置き始めたようにみえる。人手不足が構造的な色彩を帯びる下で、一人あたりの賃金は上昇基調を強めており、今や毎月勤労統計の所定内給与は前年比+1%を安定的に上回るようになってきた。もちろん春闘の結果次第ではあるが、2023年もこうした賃金上昇を伴った物価上昇が観察されるようだと、日銀は出口戦略に舵を切る可能性が高まる。
藤代 宏一
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