- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月137程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを少なくとも2023年4月までは維持するだろう。
- FEDは23年3月までにFF金利(誘導目標上限値)を5.25%へと引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。NYダウは▲2.2%、S&P500は▲2.5%、NASDAQは▲3.2%で引け。VIXは22.8へと上昇。
- 米金利カーブはツイスト・フラット化。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.168%(▲2.6bp)へと低下。実質金利は1.275%(▲0.3bp)へと低下。
- 為替(G10)はUSDが最強。USD/JPYは137後半へと上昇。コモディティはWTI原油が76.1㌦(▲1.2㌦)へと低下。銅は8293.5㌦(▲223.0㌦)へと低下。金は1777.2㌦(▲30.3㌦)へと低下。
イベント
- ECB理事会は大方の予想通り政策金利(含む限界貸出ファシリティ、中銀預金金利)を50bp引き上げ、中銀預金金利は2.00%とされた。同時に声明文およびラガルド総裁の記者会見ではインフレ率の高止まりが予想されるなか、追加の利上げが強く示唆された。OIS金利が織り込む政策金利(中銀預金金利)は2月に2.5%(0.25%刻み)、5月までに3.0%となっている。
注目点
- 11月米小売売上高は前月比▲0.6%と2ヶ月ぶりのマイナス(この指標が名目値であることに注意、インフレの嵩上げを割り引く必要がある)。振れの大きい指標とはいえ、市場予想(▲0.2%)を大幅に下回っており米景気の急減速を印象付ける結果となった。食料は前月比+0.8%、ガソリンは▲0.1%であった。自動車とガソリンを除いたベースでは▲0.2%と弱さが和らぐが、そこから建材等を除いたコア小売売上高(GDP個人消費の推計に用いられる)も▲0.2%と弱かった。業態別では家具・家財が▲2.6%と大幅に減少したほか、オンライン消費が▲0.9%と減少。過去数ヶ月、ガソリン価格の低下もあって消費者マインド(ミシガン大学調査)は改善しているが、実際の消費は2020-21年に積み上がった貯蓄が減少基調にあることなどから弱含んでおり、コア小売売上高は3ヶ月前比年率で+4.6%まで減速している。この間、米家計の貯蓄率は2.3%まで低下。低所得者層を中心に消費者は高インフレに直面して節約志向を強めているとみられる。
- 個人消費の弱さを反映して生産活動も弱含んでいる。15日に発表された11月米鉱工業生産は前月比▲0.2%と2ヶ月連続の減産であった。公益が+3.6%と大幅増加となった反面、鉱業が▲0.7%と弱く、製造業は▲0.6%と5ヶ月ぶりの減産となった。製造業の内訳は自動車・部品が▲2.8%と大幅な減産となったほか、消費財(個人向け)が▲0.4%と弱く、建設向け資材も▲0.2%の減産となった。住宅投資を含む個人消費の基調が弱含む下で、生産活動は頭打ち感を強めている。

- 先行きについても12月のNY連銀製造業景況指数とフィラデルフィア連銀製造業景況指数をみる限り、弱さが続く可能性が高い。ISM製造業景況指数の先行指標として有用なこれら2つのサーベイは12月も生産活動の減速が続いたことを示唆した。NY連銀製造業景況指数は▲11.2とマイナス圏に回帰。ISM製造業のウエイトを用いて再計算した数値は52.1と堅調だが、最重要項目の新規受注が▲3.6と2ヶ月連続でマイナス圏に沈んでおり内容は悪い。また受注残が▲11.2と7ヶ月連続のマイナスとなるなど先行きの弱さを示すデータがあることも懸念事項で、6ヶ月先の業況を問う項目は+6.3と低水準で推移している。次にフィラデルフィア連銀製造業景況指数に目を向けるとヘッドラインは▲13.8と2ヶ月連続で大幅なマイナスとなりISM換算では45.2へと沈んだ。新規受注が▲25.8と大幅な悪化を示すなど需要の弱さが映し出された点が特にネガティブ。この間に在庫は減少傾向にあるものの、新規受注・在庫バランスの低下に歯止めがかかっておらず、短期的に更なる生産活動の落ち込が示唆されている。
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上記2指標をISM製造業に換算したうえで合成した数値は48.7となった。この数値を基に推計(2005年以降のデータで回帰)した12月のISM製造業は50.6であるが、直近の傾向に鑑みると実際の着地は11月の実績値である49.0を下回る可能性が高く、そうなれば景気減速を印象付ける結果となる。
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通常の景気循環であれば、ISM製造業の50割れはFedのハト派傾斜を正当化するデータになり得る。金融市場では「金融相場」の到来を期待する動きが観察される局面であるが、今次局面に限ってはFedがインフレ沈静化を最優先課題としており、「救いの手」を差し伸べてくれる可能性は低い。インフレの混乱が厳しい米国株は当面の間、ダウンサイドリスクが大きい。
藤代 宏一
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