- 要旨
-
- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月137程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを少なくとも2023年4月までは維持するだろう。
- FEDは23年3月までにFF金利(誘導目標上限値)を5.0%へと引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国市場は休場。
- 為替(G10)はJPYが最強。USD/JPYは138半ばへと低下。
経済指標
- 11月独Ifo企業景況感指数は86.3へと1.8pt改善し市場予想を上回った。現況(94.2→93.1)の悪化が継続した一方、期待(75.9→80.0)が2ヶ月連続で改善。景気が最悪期を脱したとの認識が一部の企業で芽生え始めている可能性がある。

注目点
-
11月の日米欧PMI(速報値)は米国経済が厳しさを増し、それが日本経済に相応の悪影響を与えていることが示唆された。総合PMIは米国(48.2→46.3)が異例の低水準から一段と低下、ユーロ圏(47.3→47.8)は低水準から小幅に改善、日本(51.8→48.9)は予想外に50を割れた。
-
米国の製造業PMIは47.6と10月から2.8pt低下し、パンデミック発生初期の混乱期を除くと2009年夏場以来の低水準を記録。内訳は生産(50.7→47.2)が50を割れ、新規受注(47.6→45)は一段と低下し、雇用(51.4→50.9)も低下した。その他では中間財投入量を示す購買品在庫(47.8→46.6)が低下し、この間にサプライヤー納期(55.7→49.5)は短縮化した。サプライチェーン問題が緩和したものの、米国内外の需要が減少するなか、生産活動が急激に鈍化していることを示す結果であった。この結果から判断すると11月ISM製造業景況指数が節目の50を割り込む可能性は高い。サービス業PMIは46.1へと低下。販売価格(56.7→54.7)が2019年平均の51.3に接近するなどインフレ圧力が後退している兆候があるとはいえ、物価水準が高止まりする下で消費者の購買力および購買意欲が低下していることを浮き彫りにする結果であった。
- 他方、欧州は上述のIfo企業景況感指数の上昇とも整合的に総合PMIは異例の低水準から小幅に反発。製造業PMI(46.4→47.3)はドイツ(45.1→46.7)とフランス(47.2→49.1)が共に改善し10ヶ月ぶりに上昇。項目別では新規受注(51.6→48.7)が低下した反面、生産(50.7→51.3)と雇用(54.7→56.1)が復調し、購買品在庫(53.5→54.4)が指数押し上げに寄与、サプライヤー納期(73.7→70.1)が小幅に短縮するというまずまずの内容であった。エネルギー戦略の難しさに加え、ECBによる金融引き締めが所期の効果を発揮していることから、生産活動は依然として低調だが、ここへ来て今冬のエネルギー調達に一定の目途が付いたこと等を背景に悪化の速度は和らいでいる模様。サービス業PMIは48.6で不変。エネルギー価格の高騰が一服するなか、雇用の底堅さ等を背景にヘッドラインは横ばいを維持した。

-
そして日本は製造業PMI(50.7→49.4)が節目の50を割れた。出荷内訳表(経済産業省公表)などから判断して国内向けは底堅さを維持したとみられる反面、欧米および中国経済の落ち込みを反映して輸出向けの生産活動が落ち込んだと推察される。内訳は雇用(51.3)は横ばいを維持したものの、生産(48.7→46.3)と新規受注(47.9→45.2)が共に50を割れた。大手自動車メーカーの生産計画の下方修正など供給側要因も強く効いたとみられるが、海外経済の減速が輸出の下押しを通じて日本の製造業を蝕んでいる様子が窺えた。そうした中、サービス業PMI(53.2→50.0)は不可解に落ち込んだ。全国旅行支援や自治体による宿泊・飲食業への梃入れによって旅行関連の予約状況は好調が伝えられていたが、人手不足や原材料価格の高騰を受けて業況が悪化した可能性が指摘できる。新規受注(52.5→52.4)と受注残(50.9→50.7)が共に50超を維持していることから過度な悲観は禁物だが、11月は加速が期待されていただけに失望的な結果であった。
-
これらを踏まえると、11月グローバル製造業PMIは更なる減速が予想される。この指標とTOPIXの予想EPSが密接に連動することに鑑みると、当面は業績期待が高まりにくい状況が続くと見込まれる。半導体を中心にIT関連財の在庫調整は進展しているが、生産と受注が反転上昇し業績期待が膨らむまでにはもう少し時間がかかるだろう。
藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。







