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【1分解説】訪問介護の包括報酬(定額報酬)とは?

須藤 智也

  音声解説

訪問介護の包括報酬(定額報酬ともいう)とは、訪問介護事業所(以下、事業所)がサービスの対価として受け取る報酬を「利用者数等に応じて月単位で一定額に固定する仕組み」です(資料)。厚生労働省は第10期介護保険事業計画期間中(2027~2029年度中)の導入を検討しています。中山間・人口減少地域の事業所が適用対象となり、従来の出来高報酬(サービス利用回数・時間に応じて報酬を受け取る仕組み)と選択できるようになる見込みです。

中山間・人口減少地域の事業所は「サービス利用者の減少」「訪問介護員の移動負担」「季節による繁閑差」等を理由に安定経営の難しさが指摘されています。利用回数・時間に左右されない包括報酬の導入が、持続的な経営を可能にするという見方があります。一方、「サービスの質が低下しないか」「介護報酬全体の報酬体系と整合性を保てるか」「利用者負担が増加しないか」といった懸念も指摘されています。

なお、包括報酬は介護保険制度の一部サービスで既に導入されています。例えば定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、要介護度ごとに月の基本単位が固定されており、利用者数、各種加減算、地域区分を考慮して報酬が計算されます。訪問介護にどのような包括報酬が導入されるのか、今後の議論の動向が注目されます。

図表
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この解説は2025年11月時点の情報に基づいたものです。

須藤 智也


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