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【1分解説】観光のレジリエンス(強靭性)とは?

宍戸 美佳

  音声解説

観光のレジリエンスとは、観光活動や産業が、災害や感染症、気候変動などの外的ショックを受けても、地域社会や経済の機能を保ちながら、持続的に回復・適応していく力を指します。OECDは、コロナ禍以降の報告書において、観光活動・産業について一時的な需要回復にとどめず、強靭で持続可能かつ包摂的な構造に転換することを各国に求めています。例えば2022年の報告書では、観光のレジリエンスを「経済・環境・社会・制度」の4つの柱に基づいて強化すべきとしており、単なる危機対応ではなく、将来のリスクに備えた構造的な回復力を形成しておくことを重視しています。

こうした観点から日本の取組を見ると、現行の観光立国推進基本計画(2023年度~2025年度)では、コロナ禍からの需要回復や施設整備といった振興策が中心であり、長期的視点での気候変動や災害リスクへの備えは取組の途上にあります。観光地は住民の生活の場であると同時に、不特定多数の来訪者が一時的に滞在する空間です。地震や台風など自然災害が多発する日本において、災害発生時には住民と来訪者の双方を安全に避難させ、情報を共有することが求められます。これまでの経験も踏まえつつ、住民の生活の安定を基盤に観光の持続性を支える仕組みの構築が求められます。

この解説は2025年10月時点の情報に基づいたものです。

宍戸 美佳


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