1分でわかるトレンド解説 1分でわかるトレンド解説

【1分解説】ウクライナ情勢における「安全の保証」とは?(安全保障との違い)

石附 賢実

  音声解説

現在、ウクライナ情勢に関連して、ロシアによる将来の再侵略を抑止するための米欧による「安全の保証(security guarantees)」の在り方が注目されています。詳細は定まっていませんが、ウクライナ側からすれば、米欧の軍隊のウクライナ駐留や、NATO第5条のような、ウクライナが攻撃を受けた場合に保証の枠組みに加わっている国が反撃等の対応をとるものが、最も強力な保証となります。

一方の「安全保障(security)」は、より広義の概念です。国家が大切にしている様々な対象について、国防・同盟・外交・経済・通商などの政策を組み合わせて守るプロセスになります。守る対象には、領土や国民、経済活動、場合によっては民主主義等の価値観も含まれます。例えば経済安全保障、エネルギー安全保障など、様々に組み合わせた言葉が存在します。

ウクライナが米欧による「安全の保証」を重視する背景には、ミンスク合意をはじめとして、様々な約束事をロシアが履行しなかった苦い経験があります。ミンスク合意とは、2014年および2015年にウクライナとロシアなどが調印した、ウクライナ東部での停戦などを定めた和平合意です。今後のウクライナの平和と安定のためには、米欧による実効的な「安全の保証」と、ウクライナ自身による多層的な「安全保障」の両輪で戦略を構築することが不可欠です。

この解説は2025年9月時点の情報に基づいたものです。

石附 賢実


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。