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【1分解説】退職代行とは?

髙宮 咲妃

  音声解説

退職代行とは、労働者本人に代わって第三者が、企業に対して退職の意思を伝えるサービスです。期間の定めのない雇用の解約の申し入れを定めている民法第627条では、労働者の退職意思自体は使用者の承認を必要としません。本来、自ら企業に伝えての退職となりますが、退職をめぐる精神的な負担やハラスメントを理由に活用されており、退職代行サービスを行う民間業者のメディア露出増加等も背景に注目が集まっています。

退職代行を提供する主体は主に①労働組合②弁護士③民間業者があり、それぞれ請け負うことができる業務範囲が異なります。例えば、労働組合は団体交渉権があるため未払い賃金の支払い請求等の直接交渉ができ、弁護士は加えてハラスメントの慰謝料請求等の法律事務も可能です。一方で民間業者ができることは退職連絡の代行のみですが、退職までの迅速な対応や安価な価格等が選ばれる理由となっています。

退職代行利用の離職があった企業では、円滑な業務引継ぎができず残業の発生や提供するサービスに影響が出る等の課題が指摘されています。従業員の突然の離職を予防するためには、ハラスメント対策のほか、従業員が気軽に不満や退職の意思を伝えられる良好な社内コミュニケーションの促進等が必要です。

この解説は2025年8月時点の情報に基づいたものです。

髙宮 咲妃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。